君から続く………目黒ver1

この頃大介の様子がおかしい………。
避けられている………。
俺の勘違いじゃないはずだ………。
どうして?
何かしたか?
考えても理由がわからない………。
ため息と共に楽屋につく。
ドアノブを回そうとした時だ。
「めめの事は良いのか?」
自分の名前が出てドキっとする。
何だ?
「大丈夫だよ」
その声にはいやと言う程聞き覚えがある。
大介だ………。
何が大丈夫なんだ?
何してんだよ………。
嫌な予感がする………。
そ、とドアを開ける………。
嘘だろ?何で?
俺は目の前の光景が信じられなかった。
恋人であるはずの佐久間大介が、メンバーである阿部ちゃんの後頭部に手をかけていた。
今、まさに唇と唇がつきそうな程距離が近づく。
ガンッ!
気がつくと壁を殴っていた。
「何してんの?」
自分でも驚く程低い声が出る。
2人は驚いたように俺を見た。
「大介?お前に聞いてんだけど?」
阿部ちゃんが何か言おうとするのを遮って大介に問う。
「ぅざっ……」
ぼそっと、つぶやかれた言葉の意味が頭に入ってくるまで暫く時間がかかった。
なん………て?
「はっ?」
「うざいって言ったの。
何回かさぁ、関係持ったからって恋人ヅラしないでくれるかな?」
何をいわれてるか、本気でわからない………。
「えっ?俺とお前つき合ってるだろ?」
「同じ事言わせないでよ。俺は連のこと恋人と思った事はない」
足元から崩れるかと思うほどのショック…………。
頭を殴られたわけではないのに、頭がガンガンする………。
「本気で、言ってるのか?」
「嘘なわけないでしょ。
連のそういうとこうざいよ」大介の言葉は鋭いナイフのように俺の心に刺さっていく。
何でだよ?
何で急にこんな事………。
あ〜、でも確かに好きとか、言い合った事ないかもなぁ。
なんて、現実逃避しても言われた言葉は撤回なんかされなくて………。
とにかく、今はこの場所から消えてなくなりたかった。
このまま、出て行きたいのに、悲しいかな、俺の荷物は大介達の後。
のろり、足をなんとか出して荷物を取る。
部屋を出る時、阿部ちゃんが立ち上がる気配がする。
「来るなっ」
1言投げ捨てドアを閉めた。
幸いな事に駐車場までの間、誰に合うこともなかった。
今日の仕事が終わりで良かった。
不思議と涙は出なかった。


あとがき
佐久間くんが酷い…………。
ゆるしてたもれ

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