さっくんの災難

「はよーっす」
いつも通りに楽屋のドアを開け………。
「すいません!」
慌ててまた閉める。
で、楽屋の名前を見る………。

《SnowMan様》

あれ?間違ってない………。
しばし、何で?と楽屋前で思案する。

この日は俺と連2人の仕事が午前中に1つ、
午後からSnowMan団体の仕事が入っていた。
連は俺との仕事の後、更に1つ、個人での仕事があった。だから、連との仕事を終わらせた俺は、午後の仕事までの空き時間にジムに行ったりして時間を潰した後、
少し早いが、楽屋入りしようと来て、今に至る、なのだが………。
楽屋に女性がいる。
確か、連が共演した女優さんの妹役の子だ。
20くらいのまだ若い女優さん。
去年くらいから人気が出始めたはず。
けれど………あまり良い噂を訊かず、正直あまり関わりたくない、子。
何故彼女が、俺らの楽屋に?
う〜ん、と唸っていると、

ガチャリ

楽屋のドアが開く。
「大丈夫ですよ、ここSnowManさんの楽屋です」
うん、だから何であなたがここに?
喉元まででかかった言葉をグっ、と飲み込む。
相手はまだ20の子供………。
「あ、どうも………
それで………?」
何でここに?と案に聞くと………。
SnowManのファンだという。それを聞いてしまい、俺は彼女を無下には出来なくなってしまった。
そして、後々この選択を後悔する事になる。

彼女の相手をする事、十数分。
早くも俺は後悔していた。
ただのミーハーか、
と言う程、キャッ、キャッ、とはしゃぐ。

あ〜!誰か早く来てくれ!

と、思うもふっかさん無免許組を迎えに行ってから、こっちに向かっているであろう。
マネージャー達が来るのは、
約1時間後
早く来たのを後悔していた。
せめて、個人の仕事を終わらせた連が早く来てくれれば!
早く来いっ!
そう、願うしかなかった。

「ところでぇ〜、目黒さんって、彼女さんとかいるんですか?」
さっきまでのはしゃぎっぷりが嘘のように言う彼女に、

あぁ、そういう事か

と、納得する。
つまり、連に彼女がいるのか、知りたかった訳ね。
苦笑しながら、どうして?
と聞くと、
「私と目黒さんってお似合いだと思いません?」
「そうかもね」
ここは適当に流すしかないなぁ。
なぁ〜んて思っていたら!
「まぁ、彼女さんいても良いけど〜」
おっと?
「どういう事?」
「奪っちゃいますからぁ〜」
う………わぁ………。
本当凄い子だなぁ………。
その自信はどこから?
とか、いろいろ言いたい事はあるけど………。
相手はまだ子供、子供、我慢、我慢。
「何か、凄いね」
本当ここまで凄いと苦笑しか出ないね。
「そうですかぁ?」
クスクス笑う彼女のどこまで本気なんだか………。
少しだけ興味が湧いてしまう。
「君は何で連と付き合いたいの?」
気がつくと口にしていた。
「ん〜?ステイタス!ですかね?」
「ステイタス?好き、とかじゃなくて?」
やばい、我慢出来なくなってきてる………。
「好きー?ないないー!」
キャハハと、笑う彼女に………。

プチッ

何かがキレル音がしたような気がした。

いつもだったら絶対にしない。
メンバーの前でも今日の状態であれば絶対にしない。
けれど、俺はパーカーを脱ぐと、
ちょっとごめんね、着替えさせてね。
と、彼女にことわりを入れ、
着ていた長Tも脱ぐ。
本当は、シャワーをゆっくり浴びたくて早く来た。
のだけど、これでは無理、と判断した。
だから、長Tだけでも替えよう
と着替えたのだが………。
俺の身体には、昨夜連につけられた後が、ついてる。
だから、いつもなら絶対人のいる前では着替えない。
けれど今日は彼女の発言にキレテしまって、思わずやってしまった………。
まぁ、仕方ない!
と、服をしっかり着ると彼女に向き合う。
きっと、見ている、はず………。
彼女をチラッ、と見ると面白いものを見たような顔をしている。
「佐久間さんの彼女さんって情熱的なんですねぇ〜」
くすくす、笑いながら言う彼女に、
「俺の恋人、誰だと思う?
君の良く、知ってる人だよ」
くすり、と聞いてみる。
わかって、くれるかな?
俺の宣戦布告。
あ、気づいた?
彼女は一瞬驚いた顔をして………。
ニヤリ、と、笑った。

え?

「ターゲット変更」
え?何て???
「佐久間さん!私と付き合いましょ!」
何でそーなるー!!
「付き合わない!付き合わない!
何でそうなるの!」
「だって、面白そうなんだもん!」
くらり………。
ダメだ………、考えがよめない、
そして、ついていけない………。
「良いじゃないですかぁ」
少し、彼女から目を離しただけだったハズ、
思いのほか近くでする声に驚いて顔を上げると………。

え?何?

唇に、暖かい………。
彼女にキスされたのだ、
気がついたら彼女から逃げていた。
「んなっ………」
「佐久間さんかわいー。
こんな事で赤くなっちゃってー」
「あのねぇ」
口を開こうとした時。

ガチャリ

ドアが空いて………。
「何やってるの?」
連がやって来た。
「連っ!」
助かった〜。
連の側に行き、目で助けてくれ!
と訴える。
俺にはもうお手上げだ!
「何だか、佐久間くんと付き合うとか、付き合わないとか聞こえたけど?」
佐久間くんと、呼ばれて連が怒っているのが分かる。
声も心なしか、低い。
そんな連の様子も知らず、怖いものしらずな彼女は、
「佐久間さんと付き合いたいなぁ、って」
くすくす、笑いながら言う。
「そう、それで?
佐久間くんにキスまでしたんだ?」
え〜?見てたんですかぁ?
ノーテンキな彼女の声に俺はどきどきする。
連は絶対怒ってる。
顔は笑ってるけど絶対怒ってる。
「でも、君さキスヘタだね?」
言うやいなや、連に腕を取られる。
抵抗する間もなかった。
「………っぅ」
ダメだと、胸を叩くけど、あまり効果はない。
深くなるキスに、だんだん身体が熱く、なる。
一瞬離れたスキに息をしようとしたところに、舌が入れられる。
「ん………っ………ぅ」
口中を蹂躪されて、足に力が入らなく、なる。
頭が朦朧として、くる。
もうダメ。
そう、思った時、キスから開放される。
「ふぁ………」
足に力が入らなくて、倒れそうになる俺を連が受け止める。
「君に佐久間くんを、ここまで蕩けさせる事出来る?
無理でしょ?」
くすくす、笑いながら言うのを遠くで聞く。
「それにね、この人、オレのだから、もう2度とちょっかい出さないでね」
連が言うのに、ギャーギャー彼女が言ってる。
「ほら、君を呼んでるよ?
探されてるんじゃない?
行った方が良いよ?」
「覚えてらっしゃい!」
お決まりの捨て台詞を捨てて出ていった。

「ごめん………なさい」
2人だけになった楽屋。
ジロリ、と連を睨むと大型犬が怒られたみたいな顔をする。
「あんな事してどうするんだよ?
彼女結構気強そうだから、このまま終わると思えないだろ?」
諭すように言うとますますシュンとなる連が………かわいい。
ダメダメ!しっかり怒らないと!
「それで?何であんな事したの?」
「嫉妬………した」
「………え?」
「大介のここ………」
、そう言って、俺の唇をそ、と指でなぞる。
「ピンクのルージュ付いてるの見たら、たまらなくなった」
まずい!口角が上がる。
ちょっと………、かなり、嬉しい。
「仕方ないなぁ………」
ポスっ、と連の胸におでこをつける。
とりあえず、
「一緒に岩本くんに怒られてあげるよ」
我らがリーダーは厳しいけど、きっと解決策を一緒に考えてくれるはず。


あとがき

次回作の話が進まんのでこんなん書いてみた(笑)
ゲロあま書きたかっただけ(笑)

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