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Live2D 腕の立体表現のススメ

こんにちは。
Live2DやE-moteでなんとか食いつないでるmakotok1です。

aliveに感化されて、ボクもノウハウ公開しちゃうぜ!と意気込んで始めたnote投稿、2回めです。

今回は、腕の立体表現についてです。
まずは以前公開した動画を見てください。

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色々と詰め込んだモデルなのですが、今回は左腕の表現について。

Live2Dでの腕の可動は、
 1. 肩の回転
 2. 肘の回転
 3. 手首の回転
以上の3つが基本となると思いますが、ここに4つ目の要素
 4. 立体表現
これを加えてみよう!というお話です。

では実際に【立体表現のパラメーター】の有無の違いを見てみましょう。

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【立体表現のパラメーター】なしの状態

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【立体表現のパラメーター】ありの状態

こちら側に腕を突き出す形になっているのがわかると思います。
実際に腕のパラメーターを見てみましょう。

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1. 肩の回転
 回転デフォーマのほかに、回転した時、肩が外れて見えないようにメッシュの調整もしています。

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2. 肘の回転
 肘部分の回転デフォーマの他に、肘が外れて見えないようにするためのワープデフォーマも設定(後述。「4. 立体表現」を参照)しています。

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3. 手首の回転
 手首の回転デフォーマだけではなく、それに接続する部分のパーツの調整もしています。

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4. 立体表現
 今回の本題。こちら側に腕を突き出すような動きです。
 【肩から肘にかけてのパーツ】と【肘の回転デフォーマ】を含めた状態でワープデフォーマを1つ。
 【肘から手首にかけてのパーツ】と【手首の回転デフォーマ】を含めた状態でワープデフォーマを1つ。
 【手のパーツ】をすべて含めた状態でワープデフォーマを1つ。
 基本的にこの3つのデフォーマで表現しています。(今回の例では他にも手首のパーツを立体的に見せるためにデフォーマを設置していますが、必須ではありません。)

パラメーターの付け方は、
【肩から肘にかけてのパーツ】を含めたワープデフォーマから順番に、内側(子要素)に調整していきます。

コツは、こちら側に向けるほどパーツは大きくなり、肩からの長さが短くなることを意識することです。
特に【手のパーツ】を含めたデフォーマは、デフォーマ自体を拡大してみるとダイナミックさが増すと思います。

注意点として、2. 肘の回転との整合が取れなくなる場合が多いので、注意しましょう。
対応策としては、4. 立体表現で使用したデフォーマを2. 肘の回転のパラメータにも紐付けて、すべてのパターンで表現上問題ないように調整します。
…結構手間ですが、これをやっておけば、モーションを作成する時に制限が少なくなり、思い通りに動かすことができるようになります。頑張りどころです!

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最後に、作成した4つのパラメーターを組み合わせてモーションを作成しましょう。
キーは、肩から順番に、手先に向かうパラメーターほど後ろにずらしていくとしなやかなイメージになります。
立体表現のパラメーターは、他の3つの回転のパラメーターのキー設定をしたあとに、モーションを再生しつつつけていくとイメージしやすいかもしれません。

最後に

Live2Dの腕の動きは回転が中心で平面的なものになりがちですが、パラメーターを1つ追加するだけで3次元的な表現ができるようになります。
今回は1つのパラメーターで立体表現をしましたが、【肩から肘】と【肘から手首】の立体表現を別々に、2つのパラメーターで設定すると、さらに腕の表現力は上がっていきます。(ただし破綻のない調整をする手間が増大しますが…。)
興味を持たれた方はぜひ挑戦してみてはどうでしょうか。

最後にもう一つ作例を。

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【立体表現のパラメーター】なしの状態

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【立体表現のパラメーター】ありの状態

今、制作中のゲームのキャラクターです。
ほんの少しの差ですが、どうでしょうか?

では、また。

Live2DやE-moteを使って仕事をしているフリーランスです。お仕事募集しています。ご依頼・お問い合わせは makotok001@gmail.comまで