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士郎正宗のアップルシードに遺伝子操作された人間が出てくる。環境の変化で自然と変化したのではなく人為的に作り変えるといえば宮崎駿のナウシカもそうだった。人間にクマムシのタンパク質入れて放射性物質まみれの世の中に強い人間をつくる方法への扉か…。
高橋源一郎が恋する原発でナウシカの最後の方をかなり長く引用しているが、放射性物質に人間の方を耐性つけさせるようにライフサイエンスでやるとどうなるかは、サイバーパンクで描かれていた可能性の話であった。太陽という映画のノクス転換手術のような方法もあるわけであって。
ガンダムSEEDには遺伝子操作された人間たちが出てくる。
環境の変化に人間の遺伝子操作で対応して生き延びさせようという選択を取らねばならぬほどに人間が放射性物質に脅かされて滅びかけているのだとすれば、放射性物質に耐性を付けさせる遺伝子操作を人間に施すことに対する抵抗感を乗り越えて、学術は本来自由で幅広くどんな可能性も排除しない、という発想を採用することにもなりうる。
理論物理学を進展させて中間子理論のもとに原子爆弾が製造されて使用され、理論と開発に携わった学者たちが原水爆禁止運動をしていくこととなって今に至る。
その学術成果に至ったときにその成果がもたらす災厄やデメリットを視野にいれずにメリットばかりを採用するとすれば、やはりその成果物による負の遺産は次世代へのツケとなる。
広島市の旧産業奨励館跡がなぜ世界遺産なのかを多少の戒めとして学術を深める姿勢というのはライフサイエンスでも必要であろうと思う。