量が質を下げる

ネット通販の増加で宅急便の扱い量が増えている。
経済学の理論で製品やサービスにはその総量の増減で質も変化し、量が増えると質は下がるという定理が存在する。
宅急便の配達員が配達量の多さに疲労して、配達の質が下がってしまい、荷物を乱暴に扱うという様子を隠し撮りされてネット動画になってしまっている。
一見不正の告発で正義を果たしているように見えるが、そういう動画を隠し撮りする人間には人の心の痛みや辛さに対する労りの気持ちは皆無で、わしはその動画には撮影者の冷徹な感情の印象しか持たなかった。
そのような動画の隠し撮りは配達員の心のケバ立ちを労らず、却ってサービスの質が下がってしまうように思う。そういうことをしてもだれも得をしない。だれも幸せにはならない。動画を隠し撮りした人間の安っぽい正義感だけが満たされて、本当に問題を解決するにはどうすればいいか、という建設的な取り組みを阻害すると思う。