大学誘致

今一つ人口数が芳しくない地方都市にとって若い人が数年でも住んでくれるきっかけとなる大学というものを街に作りたいと思っているところは沢山ある。
加計学園が岡山理科大学獣医学部を愛媛県今治市に作ろうとして今治市が土地をただで加計学園に譲渡したというのはそういう今治市側の事情も色濃く、単に森友学園といっしょくたにみて、学園の経営者が安倍晋三とお友達だから便宜図ってもろたんとちゃうんかと言っても、それもそうかもしれぬが、学校経営というのは当然黒い部分もあって、それをきちんと皆が納得できるように経営するのが経営手腕であって、そういうことに多少甘いところがあれば脇を付かれてくるわけである。
疑獄と言っていいかどうか、さっぱりとはせぬ。
だが少子化で学校経営がどこもきつくなってくるときにこのような大規模新設ということの理解を得てきちんと破綻せず経営できるようなことにもどうも思えぬ。

補記 2017年5月21日
52年ぶりの獣医学部新設を賭けて勝負に出てライバルの京都産業大学を蹴落としたかに見えた岡山理科大学であったが、大学としての研究業績水準は鳥インフルエンザ研究をしている京都産業大学の方が上だというのに地方都市の事情と政治家とのつながりで大学誘致がいろいろ方向がそういう学術の事情で決まらないと言えば、鳴門市に大学を誘致した時に当初体育大学になるはずが教育大学となり、鹿屋市に教育大学のはずが体育大学になったということも過去にあったので、今回の岡山理科大学のこともそれとよく似た事情があるようにも見えるのだが、感想に留める。政治家というのは大学誘致に口を出したがるものである。
ただ鳴門教育大学と鹿屋体育大学との設置前経緯と今回のことでは兵庫教育大学があるのに隣県の徳島県に教育大学を持ってきた鳴門市と鹿屋市のこととは逆に京都産業大学には大阪府立大学に獣医学科があるので地域配分でビハインドはあったのである。

補記2017年5月27日
前文部科学省官僚の告発により疑獄の様相を見せてきたらしい。
客観的妥当性のある証言と証拠を提示してもそれは怪文書とか事実ではないとしてしまうとするなら、権力の座に恋々としているということになるのだが、それを事実かどうか鑑定するということが困難となるということ自体が全体主義政権ということなのであろうか。全体主義政権に真摯な政治などは期待はできない。

補記2017年8月25日
中国四国地方には獣医学部を持つ大学が鳥取大学ただ一つで、四国に獣医学部は一つもない。
加計学園でなければ獣医学部はすんなり設置認可が下りていたであろう。
加計学園の獣医学部でも設置認可をしない理由より認可した方がいい理由の方が大きいのではあるが、四国に生まれた人が獣医になりたい時に四国に獣医学部がないということは確かに教育の機会均等からみてアンフェアである。

補記2017年10月24日
2017年10月23日に岡山理科大学に獣医学部設置認可が下りた。