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中学校における環境総合学習実践事例

活動報告vol.1052

母校の沼間中学校で、昨年まで防災の総合学習や訓練をコーディネートしていました。
2年生の総合学習・環境学習でよい学習ができないかとご相談をいただき、今年度より授業コーディネートをすることとなり、地域で活躍する「逗子竹部」の内山学さんにご協力をいただき、授業を組み立てしました。
この記事では総合的な学習、環境学習、探求学習の実践事例として、参考にしていただきたく、その概要をまとめます。

<概要>
全体の授業のプログラムは、竹林について学び、竹林に入って整備と剪定をし、竹製品を作ってみて、竹林からCO2削減や地球環境について学びを深めるというものです。
その後、内容を生徒が新聞にまとめ逗子の環境イベントで掲示し発表したり、自然体験学習で作った竹製品を使ったり、地域のイベントで竹製品を活用したり、その成果をまとめ逗子市の環境イベントで発表したり、最後は年度末の沼中まつりで竹炭を作り使って焼き芋を作るという、1年を通して「竹」を基軸に、環境について探求していく予定です。

<初回:座学>
初回は竹と竹林について学ぶ座学でした。
逗子竹部の成り立ち、現在の竹林の状況、荒廃した竹林の惨状、竹林の整備の有用性、材料としての竹の有効性など、生徒の皆さんにわかりやすく伝えました。
実際に作った竹製品にも触れてもらうと、生徒の皆さんも興味を持ち、質問もたくさん寄せられて、関心の高さが見て取れました。

<2回目:フィールドワーク>
2回目はフィールドワークとして、中学校から歩いて15分の沼間地区の竹林の整備体験と、竹の切り出しを行いました。
6グループに別れて順番に竹林の奥から材料の竹を切り出したり、迫り出している竹を伐採したり、最初は緊張ぎみだった生徒の皆さんも、すぐに作業に慣れ、整備活動ができました。
知らなかった竹林の問題がより身近になり、人の手で環境を保全する意義を皆さん感じてくれたと思います。


<3回目:技術演習>
3回目は2回目で沼間地区の竹林の整備をして切り出してきた竹を使っての技術演習でした。
内山さんのレクチャーのもと、竹箸づくりと竹明かりづくりのグループに分かれ、製作をしてもらいました。
竹を切り、穴を空け、ヤスリがけ、竹明かりは様々なデザインが生まれ、竹箸も小刀でしっかりと箸ができました。
この回に作ったものは6月に行われる自然体験学習で使用される予定です。
また竹明かりは、東逗子地域でのイベントで展示してみようと考えています。
人の手で環境を保全したものを資源化する意義を皆さん感じてくれたと思います。


<4回目>
4回目は授業としては最終回として、竹林と地球環境について、理解を深めました。
パリ協定(2020年以降)の下での日本での目標、逗子市のカーボンニュートラル2050宣言とその内容、竹林が環境に果たす役割=竹林によるCO2の固定化等、生活を見直す・地域を見直す視点、これからの学び、という項目で内山さんと内容を練り、竹林からCO2削減や地球環境について学びを深めました。
生徒の皆さん、最後まで真剣に聞いていただきました。

これからの活動としては、生徒さんがまとめの新聞を作り、6.22逗子市環境イベントグリーンライフフェスで張り出したり、同イベント内グリーンライフユースシンポジウムで活動発表を行ったり、6月予定の自然体験学習で箸と竹明かりを使ったり、地域のイベントで竹明かりを活用できるか調整をしたり、竹炭を作ってその炭で3月の沼中文化祭で焼き芋を作ったりなどの活動を予定しています。

1年を通しての環境探求学習は、4日の基礎学習と体験を終え、ここからが一人一人の探求としてスタートします。
地域と学校が連携した素晴らしい総合学習のプログラムになったと思います。

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