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映画や教育によって作られてきたイメージにとらわれないように

1960年代コンバットというテレビドラマを子供の頃見ていました。
アメリカ軍が主人公で敵はドイツ軍。
テーマ曲は戦時中大ヒットしたドイツの歌謡曲リリーマルレーンをマーチ風にアレンジしたと聞いたことがありますが、ネットで今調べてもそれについて書いている人は見つけられませんでした。
しかし、この曲と共にドラマは大ヒット、私の年代以上の人は懐かしくおぼえているのではないでしょうか。

こちらはリリーマルレーンの8種類のバージョン
リンクが貼れない設定になっているのでクリックしてYOUTUBEでご視聴ください。 → https://www.youtube.com/watch?v=iydGE6GMRyM
ドイツ人歌手マレーネ・デートリッヒがアメリカへ移住して歌っていたことからアメリカでもヒット。

このドラマは単なる戦争映画ではなく「敵役とされるドイツ兵についても決してただの悪役としては描かれておらず、むしろドイツ兵の日常のさりげない描写を通じて主人公のアメリカ兵たちと大差のない、同じ人間として描かれている」(引用ウィキペディア)ヒューマンドラマとされています。
しかし、そうであっても主人公はアメリカ兵なのですから視聴者が感情移入するのはアメリカ軍のほうでしょう。
それでもコンバットはまだよいほうなのかも知れません。
戦後作られた戦争映画のほとんどはドイツ軍が無機な冷たい主人公の敵として描かれています。
有名なものでは「史上最大の作戦」「大脱走」「レマゲン鉄橋」「パットン大戦車軍団」などなど。

戦争映画以外でもドイツ軍は恐ろしいというイメージが私たちに植え付けられました。
古いものでは「アンネの日記」「サンドオブミュージック」少し後の作品では「戦場のピアニスト」「シンドラーのリスト」「ライフ・イズ・ビューティフル」・・・最近のものまで含めると数えきれない量です。
もちろん、作品自体が悪いわけではなく、私のベストに入るくらいどの映画も好きです。
それだけにそこから受ける影響力も強いということです。

これはソ連、イスラム教国家、日本などに対しても同じように歴史教育と共に映画を通してイメージが作られてきました。
その結果、日本人の大半もアメリカが行うことはすべてにおいて正しい、アメリカの敵は極悪非道。
アメリカが武力をもってして介入しても世界の平和、民主化を守るためには致し方ないと考えるようになりました。

日本やドイツが戦争に勝っていたら世界は大変になっていた。
そう考える日本人は多いのです。
もちろんそれはそうかも知れません。
戦争は悲惨です。
人間性を失わせる恐ろしいものです。
誰も人が強大な支配力によって個人の自由に生きる道を奪ってはいけないのです。

ではアメリカやイギリスなどはそういうことは一切しなかったかでしょうか。
実は日本やドイツと変わらないことをやってきていたのではないでしょうか。
拷問、虐殺、レイプ・・・。
戦後ドイツに侵攻してきたソ連軍が行ったドイツ人に対するレイプはニュースとして取り上げられましたが、同じようなことは西側連合軍も行っていたのですが隠蔽されました。
日本でもどれだけ米軍が酷いことをしてもニュースで報道することは禁止されました。
またアメリカが各国にしかけた工作、政治介入、軍事介入、それによってどれだけ多くの民間人が殺されてきたことでしょうか。
また自国民に対しても非道な人体実験を行ってきたということが明らかになってきています。
そしてそれは過去のことではない、今なお、企業が世界を支配し人命より自分たちの利益を優先、政治やマスコミを通して世論をコントロールしているのではないでしょうか。

日本人が特別悪かったのではない。
ドイツが特別悪かったのではない。
強大な権力を握り支配者になったときにどの民族であろうと人間は危険な存在になりうるということです。

ウクライナ問題でも同じです。
ロシアやプーチン大統領の非道性ばかり表すような報道の仕方でロシア人やウクライナの政府から弾圧されてきた民衆の生の姿は報道しない。
明らかな虚偽のニュースでも平気で流しこれは一体、わざとなのか、それとも日本のマスコミの情報収集能力が低くて西側情報をそのまま垂れ流ししているだけなのか。
先日もポーランドに落ちたミサイルのニュース。
それを聞いてすぐにこれはロシアのではないと私はわかりましたが、ほとんどの人はロシアはなんて悪いことをするのだという意見が、ニュースに対するコメントをみると大半でした。
そしてその後、それはロシアのではなくウクライナの迎撃ミサイルだったことがわかってニュースになっても、人間は最初に受けたイメージのほうが強く残ります。
冤罪事件でもそうですが、一度ついたイメージはそれが間違っていたとわかってもなかなか取れないものなのです。
2月以来、ウクライナ問題に関するニュースはことごとくそういうものばかりでした。
最初に事実と真逆の速報ニュース。後日、真相がわかっても無視。
最近でこそ、あまり虚偽を流し続けるとやばいと思ったのか、少しは報道するようになりましたが、もう後から流された情報は最初の情報を引っくりかえすほどの力を持っていません。

ロシアやプーチンが正しいと言うことを言っているわけではありません。
今はあまりにも酷い西側権力の横暴を叩くために動き出したという大義名分があるようですが、いざ世界情勢、支配権力を覆したら今度は彼らが同じことをするかも知れないでしょう。

とにかく、私たちは映画やこれまで受けてきた教育によって作られたイメージに支配されることなく見極め、この世の支配者をよく見張り、彼らの横暴を許すことなく、情報拡散によって騙されないようしっかりと対応していきましょう。

それがこのNOTEで私が言い続けてきたことです。

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