見出し画像

鹿児島市電を災害時想定訓練に

 コロナ感染者数の減少傾向が続いていたので、5月下旬に隣県ではあるが、熊本市現代美術館の展覧会に出かけた。JR熊本駅前から会場まで路面電車に乗ることに。

 県外には、PASMOを持って出かける。仕事で東京に年4回前後出張していた時に、地下鉄用に購入した。以来、全国の公共交通で活用している。熊本市電はPASMOが使える。PASMOだけでなく、ICOCAなどの10種類の全国相互利用ICカード(10カード)が利用できる。

 地元の鹿児島市電は、この10カードが使えない。鹿児島中央駅前で電車に乗っていると、重い荷物を持った観光客らしき人がICカードを読取部にかざして「えっPASMO使えないの」という場面に何度か出くわした。空耳かもしれないが「えっ薩摩は藩札しか使えない。維新は薩摩からっていうが、薩摩は明治維新が起きなかったのか」と私には聞こえていた。

 鹿児島市電への10カードの導入については、2019年3月議会に陳情があった。しかし結果は不採択。市当局が「導入困難な理由」をいくつもあげ、議員も「それなら不採択」となった。熊本市電に導入したのはこの陳情の3年前の2016年から。九州のもう一つの公営路面電車の長崎市電も2020年3月から始めている。鹿児島市電もICカードは使えるが、Rapica(ラピカ)という「地産地消」専用のもの。

 買い物の支払いにカード利用が多くなっているが、災害などの停電時には使えなくなる。この際、発想の転換で「市電は観光だけでなく、現金しか使えない災害時想定訓練もできる乗り物」と県外客に宣伝してはどうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?