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部活動ってなんのためにやってるの?

私は就職活動を間近に控えた大学生である。

「あなたが学生生活で得たものはなんですか」

なんてお決まりの質問があるが、意外とこれまで真っ正面から考えたことがなかった。このようなご時世なので、自宅でゆっくり考えてみようと思い、筆を採ることにした。

私の人生はスキーなしでは語れない。
幼いころからスキーによく行っていた私は、スキーをすることが当然になっていて、そのまま大学でもスキー部に入部した。

大学になってはじめて、私は今まで知らなかったスキーの一面を知ることになる。


怪我ってつらい

大学に入るまでの十数年、スキーが原因で怪我をしたことは一度もなかった。

だが、入部して初めてのシーズン、競技中に転倒して骨折。
幸い手術は逃れられたものの、半年近く松葉杖の生活を強いられた。

大きな怪我をしたのは私にとっては初めてのこと。歩くこともままならず、親に大学の送り迎えを頼み、迷惑をかける日々を過ごした。
当然のことながら部活には出席できなかったし、友人と食事に行くさえもしばらくできなかった。

当時は悲しくて、よく泣いた。
別に、部活動に出られないこと自体が理由ではなかった。
自分がいないところで物語がどんどん進んでいくのが嫌だった。知らないことが増える。内輪ネタがわからなくなる。
自分はサッパリしている性格だと思っていたので、こんなことが嫌なのか、と我ながら驚いた。
気遣ってくれる友人はもちろんいたが、自ずと話す機会は減ったので、そうなってしまうのは当たり前のことだ。たまに話すと、どこかぎこちなかった。
小学校の夏休み明け、しばらく話してなかった同級生と再会したときの会話みたいな、もどかしさ。

寂しかった。


時は経ち、無事部活動に復帰することができた。
正直、また転んで怪我したらどうしよう、と怖かった。怖くて思いっきり練習ができないこともあった。
それでも私はスキーを、スキー部を、やめようとは思わなかった。

それは、もともとスキーというスポーツが好きだったから。
それと、部員が好きだったから。たしかに、夏休みの間音信不通だった小学校の同級生みたいに感じたことはあったけれど。

でも、「このもどかしさが嫌なんだ!」っていう弱音を吐き出しても受け止めてくれた仲間や、復帰を喜んでくれた仲間がいたから。
だから、続けようと思った。


スポーツに怪我はつきもの

やっぱり、スポーツをする限り、怪我をするリスクはつきまとう。私のほかにも、怪我をした部員は何人もいた。

いつまた怪我するかわからない。手術することになるかわからない。
辛いリハビリをしてまでこれを乗り越える必要はあるのか。
私たちは所詮ただの大学生で、部活動としてスキーをやっているだけだ。プロになるわけでもない。学業、ほかの課外活動、就活、ほかにやるべきことなんていくらでもあるわけで、部活動に拘る必要なんてどこにもない。

そう考えて、やめていった部員もいた。


たしかに、部活動に拘る必要なんてどこにもない。
でも、

「怪我のあとリハビリを頑張って、レジャースキーしてきました!大会も出られるように頑張ります!」

そう目を輝かせて言ってくれた後輩の笑顔は頭から消えない。

部員が怪我をしてやめたいと思っても、
「でもやっぱり、部活続けても良いかもしれない」
あわよくば、
「どうせ部活やるなら、競技もまた頑張りたい」
そんな風に思えるような居場所が部活動であってほしい。

怪我した部員こそ、ほかの部員の応援が必要なんだ。フィジカル面でも、メンタル面でも。
ちょっとしたメールや電話でどれだけ救われたことか。


寂しくても、辛くても、怖くても、また戻りたいと思える居場所、受け入れてくれる居場所、それが部活動の意味なんじゃないかな。

こんな居場所って、社会人になってからできるのかな。
社会人でもない私にはそんなことはわからないけれど…。
学生生活だからこそ生まれるコミュニティーの絆、学んだ気がします。

もちろんこれからの人生でも、そんな居場所が増えたら嬉しいです。

#応援したいスポーツ