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Field Pickup Unit

上のイラストはAIに描いてもらった表題のやつ。
何かというと「英語ではMicrowave link(マイクロ波回線)と呼ぶのが一般的」(Wiki)なテレビ中継システムなんですが、総務省の免許が必要な電波伝送装置です。
ひと昔前、テレビ中継と言えば専用のテレビ中継車がやって来てパラボラアンテナ📡を掲げて中継基地に向けてこのマイクロ波を発射し、そこから放送局の鉄塔に中継され、放送されるというのが一般的でした。
この装置は言ってしまえば「電子レンジを指向性を持たせて世間に放つ」ものなので大変危険な為、使うには免許が必要で、当然放送局にもその免許を持った従事者がいます。
ただ放送局だけのシステムかと言うとそうではなくて、クリアな映像音声を遠距離に電波で運ぶ必要のある業界には結構出回っています。
例えば、国土交通省(道路や河川の現況を監視する)、気象庁、自治体、建設会社、JAXAなど多岐に渡ります。
時代は移ってスマホが5Gになり、田舎の隅々まで携帯電波が届くようになり、テレビ中継も携帯電波を使って行うのが一般的になってきました。
免許も要らず安全に子供でもテレビ中継できて、顔を見ながら会話が出来る。
1970年の大阪万博で展示された装置はいまや子供にとっては当たり前のものになったのでした。
フィールド・ピックアップ・ユニット、彼らが次に活躍するのは大規模な災害で携帯電話網や光回線が壊滅した時でしょう。
昨日、ご近所の携帯ショップをのぞいたら、小学生くらいの兄弟がテレビの前でリモコンを奪いあっていました。youtubeにするのかU-nextを観るのか争うそのテレビには「チューナーレス」と書いてありました。電波で世界を可視化しマス・コミュニケーションをつくりだしたテレビジョンの時代がもうすぐです終わろうとしているようです。

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