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タイムベースコレクター⑩プロ野球速報

見習い編集マンのお仕事の一つに球団担当編集マンに着いてアシスタントしながら仕事を学ぶという業務があります。
スポーツ記者がいわゆる「番記者」として球団の担当をするのと同じ様に、編集マンも担当球団があってそれを持つ事が一人前の証しでした。
アシスタントの私たちは日替わりでいろんな現場に行き雑務をこなします。
1、送信機器のチェック
2、お弁当の確保あるいは出前の注文
3、スコアブックの記入
4、テープ集め
5、仕上がったVTRの再生送信
などです。
1、2、3は大体お分かりになると思いますので「4、テープ集め」についてご説明いたしますと
半年前に始まったテレビ朝日の看板番組「ニュースステーション」は人気が上がり番組スポンサーの野村證券はバブルの真っ盛りでイケイケ、番組を面白くするためなら湯水の様に金を注ぎ込んでいたので「プロ野球速報」もカメラ台数を増やして多角的な視点やエキサイティングな演出を目指しました。
各野球場には球団担当カメラマンの他に2人のカメラマンとアシスタントが着いて
1カメ、バックネット裏
2カメ、ダッグアウト内
3カメ、センターバックスクリーン横
の3台のカメラで試合を撮影します。
試合はナイターなら6時半から始まって9時半頃には終わるのですが、当時のVTRは1本で20分しか録画出来ませんし、途中で要らないシーンを消すこともできません。
節約しながら撮影しても試合中に3〜4本は消費します。
私達アシスタントはその録画済みテープを回収して編集マンに届けるのです。

これはデジタルタイプのVTR(現役)


そして編集マンと記者とアナウンサーが仕上げた音パケVTRを運んで送信設備からテレビ朝日に送る。
テレビ朝日のリモート収録室では連絡を受けてVTRで録画して、そのVTRを地下のスタジオサブまで運ぶ。
とまぁ、慣れてしまえばそんなに難しい仕事じゃ無いのですが、問題はスピードです。
ニュースステーションは22時に始まってスポーツコーナーは早ければ22時20分頃、遅くても50分頃には始まるので、それまでにVTRがサブに着いていなければなりません。

そんな中、私はやっちまった・・・(次回へつづく)

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