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アルバム・ジャケットでは、メンバーの誰かが"立ちXXX"をしている!

ジュリアス・ウェクター名前に覚えはなくとも、バハ・マリンバ・バンドという、マリンバを中心に据えた珍しい楽器編成のバンドの名前に、聞き覚えがある方はおられるかもしれない。ハーブ・アルパートとティファナ・ブラスの兄弟バンドとして、1960年代から70年代にかけて活躍したこのバンドのリーダーが、ジュリアス・ウェクターだ。

彼が音楽シーンに登場したのは、1956年、21歳の時のこと。自身の名前を冠したカルテットで、ストレートなジャズを演奏する初リーダー・アルバム「Linear Sketches」を発表した。スタンダートに交えて、この時点ですでに自作曲を収録した。翌57年からは、エキゾチック・サウンドで知られるマーティン・デニーよりグループ参加の誘いを得て加入し、ハワイに渡って演奏活動をした。60年代に入ると、ロサンジェルスの腕利きスタジオ・ミュージシャンの一人として数えられるようになり、数々のセッションに参加。そのひとつがハーブ・アルパートとA&Mレコードの出世作となった記念すべき作品、「悲しき闘牛(The Lonely Bull)」だった。
こちらの映像でマリンバを演奏しているのが、ジュリアスだ。

レコード会社のオーナーにしてヒットを飛ばす演奏家と、一人のミュージシャンにすぎなかった二人の関係は、ジュリアスがティファナ・ブラスに楽曲を提供したり、ティファナ・ブラスのアルバム「Going Places」のジャケットに操縦士役(!)で登場したりしたりと次第に関係を深め、1964年にはバハ・マリンバ・バンドのレコード発表がスタートした。エキゾチックなメキシコ風味を盛り込む衣装や音楽、スタジオ・ミュージシャンによるレコーディング方式など、ティファナ・ブラスとバハ・マリンバ・バンドには共通する要素も多く、実際のところ多くのミュージシャンが、両者のレコーディングで演奏した。

飛行機の操縦士がジュリアス・ウェクター

ジュリアスは、バハ・マリンバ・バンドで多くの自作曲を発表した。マリンバの音色の妙味、当時のトレンドだったブラジル音楽を巧みに取り込むなど、技とセンスが光る曲が「I'l Marimba You」だ。

少し長いけれども、こちらのテレビショーの映像は、なんとも秀逸だ。これがバンドのキャラだったのだろう。

A&Mレコードからリリースされたバハ・マリンバ・バンドのアルバムのジャケット写真では、メンバーの誰かが"立ちXXX"をしていることに、友人のイラストレーターの菅野カズシゲ さんが気がついた。

自宅のレコード棚からアルバム・ジャケットを引っ張り出して見返したら、確かに一人、後ろを向いてなにやら動作をしている男性がいる。おお、これは大発見だ!と笑ってしまった。

おお!


おお!おお!

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