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写真と詩

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leicaで撮影した写真と、その風景から感じた詩を載せています。
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2023年7月の記事一覧

「昔、空はもっと広かった」

「昔、空はもっと広かった」 * * 空いっぱいに広がる飛行機 影と風が僕らを覆う 行先にきっと誰かが待つだろう 今日は暑かった 映画も観なかった 僕が愛した国は 何処かへ消えた あの日から それは君も気づいているはず 羽を受け、風を味方にする どんな気分なんだろう ひとかけらでも、手にしてみたい 昔は、飛行機で 小さな自分でも描けた世界地図 今は、街角すら不安ばかり 夢見ていた頃、そんなんじゃなかった 秘密は、もっと楽しみだった 今は手放したものを 愛おしく、悲しく

振り向いてくれた夜に

「振り向いてくれた夜に」 * * かき鳴らすアコギ 誰に聞かれることもない 憧れの人 焼けるような夜 誰もが同じような空間 一瞬でも君に届けば 君の中で歌が響けば 何かがとろける この街は知らない 喜びや悲しみ 心が乱れて誰かを探す でも、この曲を聴くと 狼狽える君を慰めることができる わずかな時間 夢に似た歌で 嘘でもいい 永遠という言葉を君に届けたくて 雨でも暑さで、色褪せた景色の中でも そう、 初めて振り向いてくれた夜に "On the night you

「楽園の跡」

楽園の跡 オレンジに滲む高速ランプ 遠くの東京その空は 深夜なのに明るく照らす 誰もが越える山々 素顔のままの遠回り 僕たちは 裸足であるいた山頂 少し寒い でも ここが東京じゃないことがわかる 君は 「今のほうが生きやすい」 そう話してくれた その微笑みで少しだけ汚れていく 振り返る過去の道 僕は立ち止まってしまうよ 続く争い でも 過去だってそうだった 楽園にたどり着けば 痛みも苦しみも いつか消えて そう聞かされてきた 高原の雲 閉店したシャッター 遠くで

渇き

「渇き」 * * 雲が夏を告げる 肌で風を感じる 尽きる熱 人は別れ また出会う 何を守ろう 夜が星を呼んで 私はあなたを探す 太陽を手招き 溶けるアスファルト 道端に咲く花を探す 無くしてまた探して 季節に身を託して あなたを守ろう 振りまいた笑顔 泣いた横顔 季節は流れても あなたに心奪われ 渇きは尽きない Thirst * * "Thirst" * Clouds herald summer Feel the wind on your skin The h