見出し画像

警告!この記事を読んではいけない40「銃」について7<粒子ビーム砲>

前回の記事で、やや未来的な3つの砲についてお話を始めました。そして、1 レーザー砲、2 レールガン、のお話をしました。今日は      3 粒子ビーム砲、のお話をしたいと思います。

3 粒子ビーム砲

さあいよいよ粒子ビーム砲です!自然と力が入ってしまいます!なんたって粒子ビーム砲ですよ、粒子ビーム砲! 私は子供の頃からSF小説ファン、SFアニメファンですから、とにかく小さい頃からのなじみの兵器ですっ!私が小さい頃は、いろいろな呼び方がありました。一番多かった呼び名は、「光線砲」でした。次に多かったのが「レーザー砲」ですね。

そのうち、なんだか洒落た呼び名で呼ばれるようにもなりました。宇宙戦艦ヤマトはショックカノン、宇宙海賊キャプテンハーロックのアルカディア号ではパルサーカノンと言っていました。そんなお話をすると、いかにも架空の兵器と言う風情になってしまいますが、実は粒子ビーム砲は実在します。

実は、実用化されている粒子ビーム兵器の砲や兵器は、まだありませんが、医療現場のがん治療で使われている「放射線治療装置」、あれ実は、紛れもない「粒子ビーム照射装置」です。正確には「重粒子線照射装置」と言うらしいのですが、所謂放射線治療に使う器具は、粒子ビーム装置なんです。

SFに出てくる「粒子ビーム砲」は、実に、この放射線治療装置の強力な奴です。ではそもそも「粒子ビーム砲」とはどのような兵器なのでしょうか。

電気を伴う粒子、つまり荷電粒子を、レールガンのような電磁場に閉じ込めて加速して・・・あ、この装置を「加速器(サイクロトロン)」て言うんですが、この加速装置が、やたらめったらデカいもんで、・・・直線に伸ばすと数キロにもなるような加速器を、円形にして、何周も何周もグルグル回して加速して、ようやく打ち出せる速度になるんです。

こんな、長さ数キロにも及ぶ加速器を砲身にするなど、現実には出来ませんから、だからまだ、砲として、兵器としては、実用化できていないんです。ただ、原理的なものはもう判って、実際に作られていますし、医療に使う、砲に比べたらごく低出力の「重粒子線照射装置」は、すでに実用化されていますので、あとは時間の問題とも言えます。

もうすぐ、とは言えませんが、そうそう遠くない将来この「粒子ビーム砲」は現実の世界に登場すると思われます。とはいえ、物理的な弾丸を打ち出す現在の「砲」にはない、様々な問題をクリアしなければ実用化できません。その問題とは、

画像1

① 兵器にまでなるような大電力を、どのように調達するか。       ② 弾丸となる荷電粒子を、どうやって直進させる・・・これ難しいみたいです。荷電粒子って、ちょっとした刺激で直進しなくなるみたいです。    ③ 最大の問題は、空気中だと粒子が拡散してしまうので、威力は大幅に落ちます。これをどう解決するか。

特に③は、SFでもよく描かれています。たがみよしひさ先生の「グレイ」で、ビーム兵器の攻撃を逃れようとする主人公が、シャワールームに逃げ込み、シャワーを全開にして難を逃れる描写があります。敵ロボットがビームを撃ちますが主人公は「バーカ、この状況でビームが通るか」と言います。

 時代が下ると、あまり現実的な表現でない「光線砲」とかの呼び名は姿を消していきます。そして、より現実に近い名称で呼ばれるようになります。ガンダムでは「メガ粒子砲」と呼んでいました。重金属粒子を加速して発射する砲と言う意味になります。イデオンでは「荷粒子砲」と呼んでいました。これはまさしく「荷電粒子砲」の事であり、この呼び名は、大変現実的で説得力があったと思います。

そこへ行くと、宇宙戦艦ヤマトでの呼び名は「ショックカノン」・・・確かに「荷電粒子衝撃砲」と言う意味では、間違いではないのですが「ショックカノン」と言う呼び名では、ビーム砲らしさがやや不足気味と言いますか、イメージ的に説得力がちいと不足していると感じてしまいます。

あ、私ちゃんと宇宙戦艦ヤマトのファンですからね。夢中になって見ていましたからね、決してヤマトの悪口を言おうとしてるんぢゃないですからね。ファン故の希望と言うか、お願いと言うか、ファンであったために、あの、いろいろな設定の無理に、見ていて辛い思いをしたと言いますか・・・

ショックカノンと言う呼び名だけで終わっていれば、まだよかったんですが、あの、荷電粒子砲であるはずの砲身に、物理的砲弾をこめて、三式弾とか言って、火薬で撃ちだしちゃったぢゃないですか。あれはちいと・・・。荷電粒子砲の砲身は、加速器、つまりサイクロトロンのはずですから、中にライフリングが切ってあるはずもなく、あの砲身から三式弾を火薬で撃ちだす図は、SFファンを、少なからずがっかりさせたような気がします。

粒子ビーム砲のお話に戻りますが、空気や水で拡散してしまう粒子ビームですから、逆に言えば、真空である宇宙で使うと、拡散しません。やはり粒子ビーム砲は、地球上で使う事は難しく、宇宙で使うのが、効果的と言うか、本来的な使い方のようです。

一説によると、粒子ビーム兵器の開発は、ロシアがアメリカより10年ほど進んでいるそうです。そして、ロシアのビーム兵器の運用方法は、大電力を供給するために、ビーム砲は地上に作らざるを得ないと。そして、何を狙うかと言うと、衛星軌道上にある敵の偵察衛星とかだそうです。

地上からビームを撃っても、空気中で拡散してしまって宇宙まで届きゃあしませんから、そこで、ビームを細切れにして、ピッピッピッと撃ちだして、空気の壁に穴をあけて、最終的に衛星軌道上の偵察衛星まで届くように工夫して、撃ち落とすんだそうです。

地上の発電所の傍に作らないと使えないようでは、到底、戦艦とかに載せて使うことなど、まだまだできそうにありませんが、これが小型化されて戦艦載せられるようになると、かなり怖い兵器です。なんせ砲弾も火薬も要らないんです。電力さえあれば尽きることなく撃てるんですから。

今日はここまでにします。次回からは、いよいよ、現実に存在している「砲」のお話しです。

画像2


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?