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警告!この記事を読んではいけない36「銃」について3<長銃と、拳銃のカートリッジについて>

 前回の記事で拳銃、そして口径と銃身についてお話ししました。今回は長銃とカートリッジについてです。拳銃のところで口径と銃身について充分にお勉強していただきましたので(笑)、長銃についても口径と銃身については同じだという事ご理解いただけると思います。要は大きさが違うだけです。

大きさが違うだけ、と書きましたが、この「大きさが違う」という事が、銃や砲の種類を理解するうえで、とても重要です。大きさの違いは威力の違いです。口径は2倍になると、他の条件が同じならば威力は10倍です。銃身も長くなればなるほど、弾丸の速度が増し威力は大きくなります。

<最初の銃は長銃だった>

銃の歴史を紐解くと、この世に最初に銃らしきものが出現した時、その形状は現在の長銃にあたるものでした。日本に初めて伝来した「種子島銃」を、思い起こしてください。まさにあのタイプです。その頃の人々は、あれを、「銃」もしくは「鉄砲」と呼んでいた訳でして、あれこそ銃の元祖です。

そしてその長銃は、その時代の人々の要請に合わせて改良されたり、変化したりしていきます。長銃そのものは重宝され、改良され、次第に便利なものになっていきます。

<初期の長銃の欠点は、徐々に改良される>

初期の長銃は、種子島銃がそうであったように、単発の、それも、弾丸を発射するごとに、銃口から粉火薬を入れ、棒で突き固め、そこに弾丸を入れるという、1発ごとに非常に手間のかかる代物でした。しかも発火装置がまた大掛かりで、種子島銃の火縄式発火装置は、実は最初期の銃よりはるかに改良された「マッチロック式」と呼ばれる、便利な発火装置だったのです。

このように初期の長銃は、それはそれは1発の発射までに時間のかかる代物で、江戸時代にはこれを実戦に使っていたのですから、今の我々から見ると驚きです。当時の人々も、何とかして、その発射までの時間を短くしたいと思っていたはずです。

何時誰が、どのように改良したかは、実は私も詳しくありませんし、詳細な説明は省略させてください。ともあれ1発の発射は、殆ど準備時間が不要になるまで改良されました。改良の結果だけ言いますね。カートリッジの開発です。

カートリッジとは3つの要素「弾丸、薬莢、雷管」を組み合わせたもので、この3つは全て薬莢に入っています。というか、組み込まれています。このカートリッジの開発によって、昔は粉の火薬をヒョウタンとかに入れて持ち歩いていたのですが、そんな必要もなくなりました。

カートリッジを持ち歩けばよくなりました。火薬は薬莢に密閉されているので、歩いている途中で湿気てしまう心配もありません。火縄に火を付けて、その匂いで敵に鉄砲の存在を気取られることもなくなりました。火縄に火を付けなくても、撃針と言う針が、薬莢の底部の雷管を叩けば、薬莢内の火薬は発火するようになったのです。

雷管とは、叩くなどの衝撃を与えると、発火する装置、というか部品です。雷管が火薬を発火させると、薬莢内で爆発が起こり、先端に付いた弾丸は、勢いよく飛び出し、銃身の中を走って加速されます。そして銃口から発射と言う手順になるのです。

最近では、このカートリッジの事を「タマ」と言うようです。確かにどの映画、どの漫画、どのアニメを見ても、カートリッジの事を「タマ」と呼んでいます。ちなみに、雷管の種類は、別に多くないです。発火装置、というか、発火部品です。薬莢の種類も、別に多くないです。英語ではケースと言います。入れ物です。

しかし弾丸は、極めて多くの種類があります。用途というか使用目的に応じて、様々な種類の弾丸があり、これについてのお話は、あまりに長くなってしまうので、前回の記事で申し上げた通り、このシリーズの最後らへんで、お話ししたいと思います。

あ、雷管によって発火する火薬ですが、これはかなりの種類があります。というか火薬は種類も多いですが、量も変わります。薬莢の種類も、長い薬莢と短い薬莢があります。長い薬莢は、単純ににそれだけたくさんの量の火薬を入れる事ができます。それだけ威力は大きくなります。

薬莢を長くすることによって、たくさんの火薬を入れ、威力を増した薬莢と弾丸の組み合わせを「マグナム弾」と言います。ルパン3世の次元大介の銃は「コンバットマグナム」と言われますし「マグナム拳銃」と言う呼び方もありますが、要はマグナム弾を発射できる拳銃と言う事です。

<カートリッジの装填方法>

弾丸を発射するためには、カートリッジを銃に装填してから、雷管を撃針で突いて、撃発させるのです。カートリッジを銃に装填する方法はいくつかありまして、現在残っている方法を、拳銃と長銃に分けてお話ししましょう。

1 拳銃のカートリッジの装填方法

現在残っている装填方法は二つです。一つは回転弾倉、所謂リボルバーです。これは、円筒形の弾倉に、5つか6つか7つの穴をあけて…現在の主流は6つですが・・・その中にカートリッジを押し込み、その回転弾倉を銃にカチッと押し込むと、装填完了です。

6つの穴にカートリッジを押し込めるのは射手が手で行いますが、1発1発チャキチャキ入れる人は、今ではあまり、映画の中とかでも見かけなくなりました。時間がかかりすぎるからです。特に戦闘中に、こんなのんきな作業をしている余裕はありません。ではどうするのか。

多くの場合、リボルバーの装填はクリップと言って、6発のカートリッジをまとめてシャキッ入れる事のできる部品を使います。あるいは、ハーフムーンクリップと言って、半分の3発ずつを入れるクリップもあります。リボルバーの欠点は、この装填作業が少々面倒と言う事になりましょうか。

もっとも面倒なのは、装填作業ではなく、排莢作業です。撃ち終わった6つのカートリッジは、そのまま回転弾倉に残ってしまっているので、これを取り出して弾倉をカラにする作業が必要です。まず弾倉をカチッと外して銃を上に向け、排莢レバーを指で押すと、薬莢は排出されます。

こうして弾倉をカラにしてから、新たに6発のカートリッジを弾倉に入れて、更にその弾倉をカチッと銃に押し込める作業が必要になります。戦闘中にこれをやるのは、かなり時間がかかって大変です。再装填、リロードと言いますが、これをしなくて済むように、1回の戦闘で連続発射できる弾丸は、6発以内にすると、余裕を持って次のリロードができます。

これが結構大変なので、もっと素早く再装填できる方法も考えられました。カートリッジを細長い箱に入れる、直列弾倉です。直列弾倉は多くの場合、7~8発のカートリッジが入ります。一度の戦闘で7~8発使えるのです。この弾倉を使う拳銃は、自動拳銃と言います。

自動拳銃、オートマチックってやつです。この銃は、銃把、つまり手の平で握る部分に弾倉を入れるようになっていて、一瞬でカチッと装填できます。さらにオートマチックは、1発撃つごとに、薬莢が銃の外に自動的に排出されるので、排莢作業の必要がありません。

これは素晴らしい時間短縮になります。排莢作業に必要な時間がないのです。さすがに再装填は、次の直列弾倉をカチッと押し込む必要はありますが、リボルバーよりは大幅に時間短縮されますので、これならば戦闘中でも弾倉の交換が可能です。

ただしこのオートマチックにも欠点はあります。ジャムです。ジャムとは、銃の中でカートリッジが詰まってしまって、動かなくなることです。こうなるともう戦闘どころではありません。もう一つ銃を持っていない限り、確実に相手に負けてしまいます。複雑な機構を持つオートマチックの弱点です。リボルバーの強みは、ジャムとは無縁だという事です。

今日はここまでにします。次回は、長銃の場合のカートリッジの装填方法をお話ししたいと思います。

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