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警告!この記事を読んではいけない73「銃」について39<飛行機の機動と静安定4>

前回の記事の終りに、無人戦闘機のお話をしました。XBー47ペガサス。この無人戦闘攻撃機、素晴らしい飛行機でありながら採用されなかった事。その原因が、海軍パイロットたちとその上官たちの双方に嫌われていた事、などなどをお話ししました。

XBー47ペガサスは優秀過ぎたんだと思います。優秀過ぎるものは嫌われるんです。そして嫌われ者は採用されないんです。人間社会と同じですね。XBー47ペガサスは、カッコいいです。人間が乗らないのでコクピットはありません。そのせいでしょうか、何かとても無機質的な感じがします。

私は別にこの飛行機、嫌いではありません。私、基本的に優秀なもの、好きです。優秀な人間、好きです。優秀なミュージシャン、大好きです。優秀であれば嫌いになどならず、何時までも自分の手元に置いておきたい気持ちになります。そんな私でもなんかこのペガサス、カワイイと感じないんです。

理由は自分でもよく判らないです。優秀なもの好きなはずの私が、この飛行機、優秀さを認めつつも、好き❣とかカワイイ❣にならないんです。もしかするとその原因は、同じ無人戦闘機のゴーストXー9が、カワイクなかったせいかもしれません。

無人戦闘機 ゴーストXー9

この戦闘機、知ってますか? 実在するXBー47ペガサスと違って、ゴーストXー9は架空の戦闘機です。アニメ、マクロスプラスの登場メカです。メチャクチャにカッコよかったです。戦闘力は、有人戦闘機の比ではありません。格段に優れた戦闘機でした。何故無人だと格段に優れた戦闘機が出来上がるんでしょうか。今日はそのお話しから入りたいと思います。

人が操縦する飛行機の「機動」は、限界がある

人は生物です。生物は無理な圧力をかけると、つぶれて死んでしまいます。人間が耐えられる限界圧力は、9Gと言われているようですが、私は個人的に少し疑問です。だって、地球の重力は1Gです。その9倍の圧力に、人間は耐えられるんでしょうか?

宇宙飛行士を訓練するために、高G訓練装置というのがあります。人間をカプセルに入れてグルグル回して、高い圧力をかける装置です。宇宙飛行士になろうなんて人間は、そもそも初めから、通常の人間より頑丈な身体を持っています。そして常日頃、身を引きちぎるような訓練をしています。

そんな宇宙飛行士が、同じ姿勢でじっとしている状態で、ごく短時間ならば、9Gをかけても死なずにいられるかもしれませんが、およそ、手や足を動かすような活動はできません。つまりこの状態で飛行機の操縦なんか、出来るはずありません。死の寸前で、生存しているのがやっとなんですから。

何の訓練もしていない、通常レベルの体力しかない人間に9Gなんてかけたら、おそらく数秒で死んでしまうんぢゃないかと、私は想像します。これでもうお判り方だけたと思いますが、飛行機、今ここでは戦闘機のお話をしていますので、戦闘機に限ってお話ししますが、戦闘機も、人間が乗っている限り、加速度によって起こるGのレベルには限界があるという事です。

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戦闘機には、高機動能力が求められます。それは、機体強度にも限界がありますが、それ以上に、操縦する人間に過剰な負荷がかかると、操縦者が失神したり、ブラックアウトと言って、極端に視野が狭くなったり、およそ操縦などできない状態に陥ります。

もうお気づきですね。もしも戦闘機が無人になったら、人間の耐えられる限界Gを超えても、何の問題もないんです。更に戦闘機に人間が乗ると、その人間を死なせないために様々な装置が必要になります。呼吸する空気の供給や、非常時に脱出するための射出座席、視界を確保するための透明キャノピーやバックミラー、本当に様々な装置が必要になります。

しかし、これが無人であったならどうでしょうか、それらすべての装置が全く不要になります。これだけで、物凄い重量削減になります。重量が軽くなると、その分確実に性能を上げる事ができます。そして人間が乗っていませんので、人間には耐えられないような、凄まじい機動も可能になります。

もしもこんな戦闘機が編隊を組んで押し寄せてきたらどうなるでしょうか。有人戦闘機部隊など、アッという間に片づけられてしまいます。なんせ相手は人間にできない機動ができる機械です。人間の操縦する飛行機から見るとバケモノのような存在なんです。勝てるはずがありません。

アメリカ海軍はこんなスゴイ戦闘機を開発しながら採用しなかったんです。それも人間のパイロットたちがその無人戦闘機を嫌ったという理由でです。まあ軍隊の真実とは、そういうものかもしれません。いくら性能的に素晴らしくても、現場の人間が、それを運用したいという気持ちにならなければ、採用されないのかもですね。

ちなみに、現在では無人戦闘機、一応あります。МQ9リーパーとか、МQ1プレデターとか。でもこれらは、グライダーにエンジンを付けただけのような、非常に不格好なまるで空飛ぶロボットって言う感じの飛行機です。これに爆弾やミサイルとか積んで攻撃任務もできますけど、後方で人間が操縦しているので、まだなんか許せる感じがします(笑)。ペガサスのような、いかにも「これさえあれば、もう人間のパイロットは不要」という雰囲気を醸し出すような感じはしません。

なので同じ無人戦闘機でもペガサスは別格に「カワイクない」んです(笑)。さてここで、もう一度、マクロスプラスに登場する、ゴーストX9という無人戦闘機を見てみましょう。

ゴーストX9は、カワイクない!

アニメの中の話ではありますが、マクロスという物語の中で新鋭有人戦闘機の実証実験が行われていました。主人公、地球人のイサムが乗るYFー19とイサムの親友でライバル、ゼントラーディー人のガルドが乗るYFー21が、どちらが次期主力戦闘機になるかの競合試験をしていました。

ところが突然、指令が「もう君たちも、君たちの操縦する試作戦闘機も不要になった」と言ったんです。訳の分からないイサムとガルドは、指令に「どういう事でしょうか???」と詰め寄ります。そしてゴーストX9という無人戦闘機の存在を知るのです。

ああ、もう2500字を超えてしましました! 今日はここまでにします。はてさて、アニメ、マクロスプラスでは、イサムとガルドの乗る有人戦闘機と、無人戦闘機ゴーストX9は、どういう運命をたどるのでしょうか。次回はそういうお話しをしたいと思います。

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