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本を繋ぐということ

北海道で地方公務員をしている私。
職場で旅の話をしたり、本の話をしたり、もちろん仕事の話をしたりさせて貰う人がいる。
それは私のまちの教育長。
 
他のまちがどうかは分からないが、私は教育の部局にいないので直接的な関わりは少ないのだが、すれ違うと「どこだか行って来ましたよ」とか「星野道夫さんって素敵だよね」とかそんな話しをしたりできて、役職も全く異なるのだがどこか勝手に親しみすら感じている。
 
星野道夫さんの本の話しや知床の話しをしているうちに、水口博也さんという写真家の話しになった。
それは、今年の私は鯨類にハマったことを知っているから。
もちろん存じ上げていることを伝えた。
すると「家の本棚にあるんだ。もう一度読み直したら小林さんに貰って貰いたいな」「小林さんが持ってる方が良いと思って」と。
 
そんな話しをして1か月経っただろうか。
出勤したら席に紙袋があった。
何かと覗くと「4冊の本」だった。
 

お話ししていた水口さんの2冊だけでなく、鯨類に纏わる本をさらに2冊。

ここ最近の昼休みは、調べ物をしたり勉強をしたり音楽を聴いたりしている食後ですが、今日は教育長よりいただいた本を眺めた。
手にしたのは水口 博也さんの写真集。


途中、席を外したので少ししか目を通せていないけれど、海ってワクワクした。
そして、ワクワクしながら根室海峡に通った今年を思い返したり。
ネット社会ですぐに素敵な写真や文章にアクセスできるようになった今だけど、こうやって温度を感じながらページを捲る高揚感は、やはり紙ならではなのかもしれない。
 
 

あと驚いたのは、付箋とかではなく、便箋にコメントを残してくれていたこと。
その文面に「本の運命」という言葉があった。
読み終わったら本棚に宝として残すのもありだが、こうやって人に繋ぐ本の在り方も良いなと。
古本屋で売って、買うというのもそうなのかもしれないけれど、こうやって相手のことを思って、「良かったらどうだい?」と決して押しつけではないコミュニケーションから生まれる感情に、なんだかほっこりした。
 
好きだな!と思った本はたくさんある。
「これを読まさみなさい」「本を読んでいないからダメだ」みたいなやり取りではなく、「こんな本を読んだんだ。興味あったら言ってね」というレベルでのおすすめからの興味。
 
素敵だなと思ったので、ぜひ私も試みたいと思う。


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