「学力の経済学」中室牧子

この本はNPO法人フローレンス代表理事である駒崎弘樹さんがTwitterでお勧めされていたのをきっかけに読んでみた。
http://buff.ly/1Voi9nQ
NPO法人フローレンスとは主に病児保育を運営している団体であり、現在TBSで放送されている「37.5℃の涙」のモデルとなっている。
http://byojihoiku.florence.or.jp/news/2015/04/5723/
そんな駒崎さんの著書「社会を変えるを仕事にする」は私が今最も読みたい本の一つである。

前置きはさておき、この本はどこかの著名人が思いつきのままに根性論を叫び、だからゆとり世代は!などと言うものではない。科学的根拠を武器に教育に切り込む非常に革新的な本である。

・東大生の親の平均年収は約「1000万円」である!
・テレビやゲームをやめさせても学習時間はほとんど増えない
・教員免許を撤廃することで教員の質を高めることができる!
・少人数教育の因果関係は小学生の国語以外の科目では確認されていない
・学歴と年収のデータを用いて算出された教育の収益率を子どもと親に伝えると知らされなかった子どもたちよりも学力が高くなる

など目から鱗の数々がエビデンスに基づいて丁寧に書かれている。
教育に関してはいろんな人がいろんなことを言う。その中の一体いくつが科学的根拠に基づいたものなのだろうか。有意差が見られたものだろうか。そしてそれは誰にでも当てはまる、汎用性の高いものなのだろうか。答えはNoだ。
そもそも検証すらしていないことも多い。 また効果があるとしても費用対効果については全くと言っていいほど注目されていない。

あなたの教育に対する姿勢はどうだろうか。科学的根拠に基づいたものだろうか。今一度この本を読みながら根拠なき常識を疑ってほしいものだ。