『教会史』第2巻 第3章 キリストの教義がすぐに全世界へ拡散したことについて(エウセビオス)

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第3章 キリストの教義がすぐに全世界へ拡散したことについて


1節 それゆえ、天的な力の影響力のもとで、そして神的な協力によって、かの救助者の教義は、太陽の諸々の光線のように即座に世界全体を照らした。そして直ちに、神的な聖書群にあるように、霊感を受けた福音伝道者たちと使徒たちの声が全地に渡って、彼らの諸々の言葉が世界の果てまで出て行った。

2節
あらゆる都市と村落において、諸教会は即座に確立され、補給された脱穀場のように大勢の人々で満たされた。[人々はそれまで]先祖たちから伝えられてきた諸々の誤謬の結果、偶像崇拝の迷信という古来の病によって心に枷をかけられていた。しかし[キリスト]の弟子たちの教えと驚嘆すべき諸々の業によって、そのあたかも酷い主人たち[のような迷信]から、自由にされ、最も残忍な束縛から解放させられたのである。彼らはあらゆる種々の悪霊的な多神論を嫌悪を以って放棄し、全ての諸事物の創造者である唯一の神がいることを告白した。そして彼らは真実に敬虔なる儀礼を以って、霊感された理性的な崇拝を通して、[唯一の神]に名誉を帰した。その[崇拝]は我らの救助者が人々の間に植えたものである。

3節
しかしここでさらに神的な恩寵が残りの国々に対して注がれた。それでパレスチナのカエサレア[カイサリア]のコルネリウスは、その全家と共に[ギリシア人で]最初にキリストへの信仰を受け取った。それは神的な啓示とペテロの仲介によるものであった。そして彼に続いてアンティオケアの他のギリシア人が大勢[信仰を受け取った]。ステファノについての迫害で散らされた者たちが彼らに福音を宣教したのである。ここでアンティオケアの教会[会衆]が増加し溢れていた頃、そしてバルナバやパウロ、そして多くの他の兄弟たちを含む、エルサレムからの預言者たちの一群が到着した[頃]、キリスト者[クリスチアノス]という名前が[アンティオケア]で最初に湧き上がった。それは新鮮で生命を与える泉から[湧く]ごとくであった。

4節
そしてアガボは、彼らと共にいた預言者たちのうちの一人であったが、[もうすぐ]起ころうとしていた飢饉に関する預言を発言した。それでパウロとバルナバが兄弟たちの窮状を和らげるべく遣わされた。

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