ナブ神像の碑文

Luckenbill, Daniel D., Ancient Records of Assyria and Babylonia, Vol. 1: Historical Records of Assyria, from the earliest times to Sargon, (Chicago: University of Chicago Press) 1926

アッシリアの王アダド-ニラリ3世(BC 810-783)は知恵の神ナブーへの強い信仰で知られ、各地に神殿を創建した。カラフの神殿のナブー神像の碑文は、ナブーを唯一のより頼むべき神とすることを宣言している。


[追記1]上記リンクが切れてしまったようなので原典情報をメモしておく(翻字・翻訳も資料が見つかり次第、載せたい)↓


[追記2]翻字は以下にあった。

No.2の三文字目と四文字目に

ナブ

という文字列があるが。これが音で言うと「AN」「AK」であり、意味としては「AN」が、これに続く文字列が神名であることを表し、「AK」がナブ神を表す文字となっている。これは新アッシリア時代の文字であり、シュメール時代に近い文字では 

𒀭𒀝

と表現される。

:::::以下訳文:::::

ナブーに[捧ぐ]。すなわち力ある、称揚されしEsagila["高き神殿"]の子に。[彼は]知恵において卓越し、力ある君であり、Nudimmut["創造"]の息子であり、その言葉は優位に立つ。[彼は]学芸の主人、全天地の守護者である。[彼は]全知であり、その心は開かれ、葦の筆を掴み、抱擁する腕[?]を持ち、慈悲深い者であり、近づくことのできる者[?]であり、彼から啓示と創始が来る。Enlil[”風の主”]に愛されし者であり、諸々の主の主、その力は並ぶものがなく、その赦しは優しく、Calah市のEzida神殿に住まう。大いなる主、陛下。アッシリアの王アダドニラリ陛下の生命のため、またシャンムラマト(セミラミス)妃陛下の生命のために、Calah, Hamedi, Sirgana, Temeni, Ialunaの総督ベルタルシルマ[Bel-tarsi-iluma]が、自身の魂の生命、その長き日々、多くの年数、その家とその民の平和のために、病からの救いのために、これを創建する。[我に]従う人よ、ナブを待ち望め。他の神により頼んではならない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?