『教会史』第1巻 第9章 ピラトの諸時代について(エウセビオス)

http://www.newadvent.org/fathers/250101.htm

9章 ピラトの諸時代について

1節
既に言及した歴史家[ヨセフス]は、ヘロデの後にアルケラオが政権を継承したことに関して福音記者と合致している。[歴史家]は[アルケラオ]がユダヤ人の王国を彼の父ヘロデの意志とカエサル・アウグストゥスの布告によって受けた次第と、彼が十年統治したのちに彼の王国を失った次第、また彼の兄弟たちであるフィリッポス[フィリポ]と小ヘロデが、リュサニアス[リュサニア]と共に、依然として彼ら自身の四分統治[区]を支配していたか、を記録している。同じ著者は、彼の『古代誌』の第十八書において、アウグストゥスの五十七年間の支配の後に帝国を継承したティベリウス[AD 14 - 37]の統治第十二年ころに、ポンティウス・ピラトゥス[ポンティオ・ピラト]がユダヤの政権を委託され、ほぼティベリウスの死まで、満十年間そこに留まったと言っている。

2節
それに従って、最近流布した[言説の]偽造が明白に証明される。それは我らの救助者に対抗して行動した者たちによる[言説]である。というのもそれらの[言説]うちで与えられているまさにその日付が、それらがでっち上げであることを示しているのである。

3節
というのも彼らが救助者の受難に関して敢えて言った諸々のことは、ティベリウスの第四の領事職[コンスル][期]に比定されており、それは彼の統治の第七年に起こったことになる。ヨセフスの証言を信じるならば、その時、ピラトがユダヤをまだ支配していなかったことは明白である。彼は上で言及した著作においてピラトがティベリウスによってその統治第十二年にユダヤの法務官[procurator]と成されたと明白に示しているのである。

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