あの夏

あの夏
道路沿いのアパートの花壇の端
君と並んで腰掛けて
アイスバーを齧りながら
日が暮れかけても僅かに残る
アスファルトの熱
時折走り去る車の排気ガスの匂い
世界に二人きりで
汗ばみながらも手を握り合い
それだけで全く満たされて
八月の匂いに胸を膨らませていた

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