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ビールを飲む

はじめはそんなに好きじゃなかった。
大人になったから飲んでみようかというくらい。
初めて飲んだ時はあまり美味しさを感じることはなかった。

どちらかというとジュースの延長でチューハイを飲むことの方が多かった。
甘くて酔えるお酒が好きだった。

お酒を飲むようになって少ししてからビールを飲むことが増えた。

軽音部でのライブ後の打ち上げ、野球サークルでの試合後、1杯目に飲むビールの味は格別だった。

つい最近まで家で飲むのは「金麦」「クリアアサヒ」などの第三のビールが多かった。

ビールは高くてなかなか手が出せないから。

けれど、第三のビールの酒税が改正されてからそれほどビールとの価格の差がなくなってしまったことや、自分の場合、毎日は飲まず週末に自炊をした際にゆっくりご飯と飲む程度になっていたので、第三のビールからビールへと切り替えた。

よく飲む銘柄は「麒麟1番絞り」「晴れ風」「サッポロビール」など。
たまに「ハイネケン」「プレモル」

最初は「アサヒスーパードライ」派だったが、最近は辛口よりもマイルドな方が好み。

近所のスーパーに置いてあるものを買う。
変わったビールは旅行に行ったときなどにチェックして買う。

正直味音痴だし、特にビールに詳しいわけでもないのでどこがどう違うのか細かくはわかっていない。

週末に今週も頑張ったなと振り返りながら冷凍庫でキンキンに冷やしたグラスに2~3回に分けてビールの泡を調整しながら入れて飲むことがとても大切な習慣になっている。

本屋でビールについての本を立ち読みした際に知った知識だが、

最初は高いところからグラスの底に向けて打ち付けるように注いで泡をたくさん発生させる。

大体グラスの6割くらいまでの量。

その後、少し泡が落ち着いてきたらゆっくりとグラスの8割くらいまで注ぐ。

最後はまた泡が落ち着いてきた頃にゆっくりと10割まで注ぐ。

口に含んで喉を通るところだけを楽しむのではなくて、プルタブを開ける音、高いところから注ぐ音、黄金色の液体の中を炭酸の粒が泳いでいる光景、グラスの淵から漏れ出す香り。

飲むまでの工程を視覚、聴覚、嗅覚の刺激で楽しみながら今週もよく頑張ってきたなと思い喉に流す。

疲れていると1~2口で程よく酔いが回り、身体の緊張が弛緩していく。

この一連がビールの旨味だと思う。

儀式のようにビールを飲む。

そのために毎日を頑張るというほどチープな毎日は過ごしていないけど、厳しい日々を確実に生きていく中での楽しみのひとつとしてビールを飲むという行為は自分の中で確立されている。

ビアガーデンや酒場のビールはまた違う顔をしている。

同じ銘柄でも違うビールのように感じる。

明日も飲もう。

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