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12. この季節が廻り来るたびに

ぼくの夢には、あの娘が現れるらしい。
この季節が、廻り来るたびに。

1年前の日記にも、メモってあった。
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そして日記と言えば…。
ぼくは、せめてもと、記録を残している。

2006年(28歳)からは、手帳に。
そして2008年(30歳)からは、日記帳にも。
わたくし、新階 誠の記録メモ。

「運命の女性と、出会えることを信じて」
という類の言葉が、何度も何度も何度も。

何度でも、記されている。
神への、切なる祈りと共に。


僕の現状。

今の現状を、見るに。

僕は、20年ほど前に、もうすでに、
この世界に殺されてしまったのではないか?

そんな疑念が、頭をかすめることが、時々。

僕の願いは、神様にも、
この世界にも、届かなかった。

そして。

だけど。

今日も、明日からも、
がんばるよ。

悲しみが、限りなく溢れ出てこないように。
もっとずっと、必死に生きてしまいたい。

逆境も。
この陰鬱な社会から生まれる、心の鬱も。

人類への、ある種の絶望に、
この心が、呑み込まれてしまったとしても。

そんなこととは、関係なく。

僕は、成し遂げなくては。
ぼくなりのことを。

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20160511
そして全ては、幻のままとして、
かき消えてしまった。
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もしも。

もしも、かの疑念のように、
すでに、僕は殺されていたのだとしたら。

殺されていたのだとしたら。

だったら、なんだっていうんだろう。

僕は君と、話をしたことが無い。
君の瞳を見つめることだって、
したことが無い。


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