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『ドラゴンボールの息子』その14「ビックリマンでびっくりマン」

さてさて、今回は僕が「父のお弟子さんから頂いたプレゼント」をテーマにお話ししていきたいと思います。

以前からたびたび書いてきましたが、父はアニメ脚本家として多くのお弟子さんたちを育成してきました。

僕が物心を着いた頃には、すでに父のもとには脚本家を志す多くの若者たちが集まって、デビューに向けて研鑽を積んでいました。

当時まだ子供だった僕は、お弟子さんたちからたくさんの「プレゼント」を頂いたんです。

僕が化石を好きだと言えば、
三葉虫の化石」が!

僕が広末涼子を好きだと言えば、
ドコモショップに飾るのぼり」が!!

僕がモーニング娘。を好きだと言えば、
サイン入りのCD」を頂きました(笑)

そして、父からは仕事を通してあらゆる作品の「おもちゃ」も手に入るんですから……当時の僕は、欲しいものが手に入る絶対的状態!

まさに「超おぼっちゃまタイム」と言ってもいいくらいの恵まれた環境でした(笑)

そのなかでも、とあるお弟子さんが下さった「ビックリマンシール」は僕にとって強烈な思い出として残っています。

その当時、ビックリマンシールと言えば日本中の子供たちが熱狂していたもの。

おひとり様、3個まで!
おまけ欲しさにチョコを捨てる子供たち

街中では争奪戦がおきるほどの、
社会現象になっていました。

お弟子さんはどこからそんな貴重なものを手に入れてきたのかわかりませんが……

ビックリマンシールの中でも特に人気があった「スーパーゼウス」と「シャーマンカーン」というキャラクターのシールを束でもらって来てくれたんです!

どのくらいの量だったかというと……

このくらいの厚みがあったんです!

これはもう、当時の子供たちにとっては「札束」をゲットしたのと同じくらいの価値がありましたからね(笑)

ここからの僕は「成金ロード」まっしぐら!

普通だったら大切に大切に持っているはずのレアシールを、アホみたいに色んな所に張ったりしてましたから。

今考えると、なんてもったいないことをしやがるんだ……昔の僕は!!!涙

さらに当時の僕は「おぼっちゃまくん」のように、一緒に遊んだ友達にはそのシールを分け与えていきました。

今思うと、その時期だけの友達が増えてたような気がするんだよなぁ……
だって、「スーパーゼウス」がもらえるんだもんね!!!笑

だが、しかし! 
そんな生活は長くは続きません!!!

僕はこんな風「ビックリマン成金生活」を謳歌しているうちに、上級生の不良たちに目をつけられてしまったのです。

ある日のこと……その上級生たちが珍しく一緒に遊びたいと言い出しました。

僕はいつものように、
彼らにも一枚ずつシールを配りました。

しかし、上級生たちはそれだけでは満足しなかったのです……!

「天下」と呼ばれるボール遊びをする時に、僕はふとビックリマンシールの束を地面に置いてしまいました。

白熱した天下の試合を終えて元の場所に戻ると……置いておいたはずのビックリマンシールの束はもう跡形もないではありませんか!

僕は必死に探しましたよ。なんたって「札束」を無くしたのと一緒ですから。

なんとそこで、上級生たちが僕のビックリマンシールを嬉しそうに分け合っている所を目にしてしまうのです!

ねぇ、それって僕のシールだよね!?」

当然、僕は彼らに尋ねました。すると……

え? 俺たちのだけど。これがお前のだって証明できんのかよ?」

出来るわけないっすよね。
証明するなんてね。。。

僕にはそれを取り返す術もないし、
父に言ったとしても怒られるだろうし……

結局、僕はお弟子さんがくれた大量のビックリマンシールに別れを告げたのです。

当時の僕に、こんな名文を読んであげたい。

「驕れる者久しからず、ただ春の夜の夢の如し」と。

最後に、当時の『ビックリマン成金』ぶりを証明する一枚の写真をご紹介します。

僕の手元に残った、
唯一のシャーマンカーン様です。

ボロボロになった台車の柱で、今も穏やかな微笑みを浮かべてらっしゃいます……

それでは、また。

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