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入院したその日にまさかの転院

妊娠高血圧症候群の妻、紹介状持参で大きな病院へ。

すると、即入院となってしまった。

その日の夕方、妻を病院に残して私は保育園へ。

長男を預かり車に乗せる。

さあ帰ろうか。

という時、私のスマホが着信を告げた。

相手は妻だった。

「これから別の病院に転院することになったから、また病院まで戻ってきてほしい」

えええええええええええええーーーーーーーーーーーー!!!???

マジでーーーーーーーーーーーーー!!??

さっき入院したばっかじゃん!!!

なんで!?

どうして???

血圧を下げる薬を点滴で入れているけど下がらない。

加えて、胎児が弱ってきたサインが出ている。

その結果、帝王切開する可能性が高い。

そうなると、未熟児用の保育器が必要だ。

しかし、この病院には余っている保育器がない。

それが転院の理由だった。

帰宅し、長男にご飯を食べさせ風呂にいれて寝かしつける・・・はずが、まさかの病院にUターン。

若干パニック気味のまま、コンビニに寄って長男が食べられそうなおにぎり類とお茶を購入。

出産予定日はまだ2ヶ月以上先だ。

元々通っていたクリニックでは、現時点での胎児の体重は900g越えと聞いていた。

しかし、この病院で改めて検査したところ、実際には700g程度だという・・・

それなのに、今帝王切開して胎児は大丈夫なのだろうか。

現代医学が発達しているとはいえ、ちゃんと生きられるのだろうか・・・

そして、妻の身体も心配だ。

病院に着くまでの間、母子の無事を祈るような気持ちだった。

病室に戻ると、妻は引き続き点滴での降圧剤を受けていた。

血圧を下げる薬は通常より量が多いそうだ。

その副作用(?)で妻の顔はなんだか火照っているようで、眠そうなダルそうな表情だった。

医師から転院の説明を改めて受ける。

しかし、受け入れ先の病院がなかなか決まらない。

「今、電話をかけて病院を探しているから、もう少しお待ちください」

その間、長男におにぎりを食べさせお茶を飲ませる。

何人かの医師が入れ替わり入っては、病状の説明や受け入れ可能な病院の候補などを話してくれた。

でも、なかなか病院が決まらない。

こうしている間にも妻は・・・と思うと、いてもたってもいられなくなる。

数十分が経過したころ、やっと転院先の病院が決まった。

妻は救急車で搬送。

私と長男は車で転院先の病院へ。

妻が乗った救急車が先に出発。

その後、私の車が駐車場を出る。

すると、病院の前に一台の救急車が停まっていた。

あの救急車・・・ひょっとして妻が乗っているやつ?

だとしたら、急がなくてはならないはずなのに、なんであんなところに停まっているんだ?

まさか、別の救急車だろう。

ナビを頼りに転院先へ急ぐ。

しばらくすると、後ろから救急車のサイレンが。

私の車を追い抜いていく。

あれ、やはり妻が乗っているやつだったんじゃない??

あとから聞いた話によると、その救急車はやはり妻が乗っていたやつだった。

救急隊員が転院先の病院に電話をするもつながらず、モタモタしてなかなか出発できなかったそうだ。

付き添いの医師が、「早く出発してください!電話は向かいながらかけてください!」と怒っていたという。

いかに事態が切迫しているかがわかる。

そして、私は病院の駐車場に車を停め、長男を抱っこして入口に向かった。

時刻は21時を過ぎていた。

続く


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