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2022年9月25日日比谷野外音楽堂、エレファントカシマシ

2022年9月25日、私は14年ぶりの日比谷野音のエレカシ観覧でした。
この日の2時間半ほどの音楽体験は私にとって、忘れられない大切な出来事です。この時の感動は今も胸に新しく、これからの人生を力づけ続けてくれると思います。

そんな個人的な感動ですが、当時ツイッターに書き散らした文をそのまま、ここに残しておくことにしました。正気ではないうわごとばかりですが、鉄は熱いうちに打てという感じの文です。老後の楽しみに読み返したいと思います。

音楽というのは一過性のものではなく、聴いた人の心の中に鳴り続けるものだとしみじみ感じます。

*ライブ直後の心のとっちらかり 

・すごいものを見た。武士達だった。
・なんか、ウワーッと叫び出したいくらい。良いライブだった。
・一生に一度のような席でした。宮本は凄まじかった。凄まじいパワーなのだけども、すごく自然な事をしてるという不思議な風情だった。うつくしかったです。


*「過ぎゆく日々」について千々に乱れた

・今回は「過ぎゆく日々」「東京の空」「偶成」でオイオイと泣きました。「過ぎゆく日々」は、事前認証しに会場へ行ったら丁度リハされている音がして。立ったまま一度失神しました。

・「過ぎゆく日々」後半の<酒を飲んだ 本を読み散らした>などの何気ない歌詞と穏やかなメロディがあまりにも抒情的だった。深い声に、ものすっごい心を打たれた。

・(まだこの曲の話をする)「過ぎゆく日々」は、リハの音漏れの方が元々の曲の印象通りというか、スーッとした歌い方だった印象。本番は特に宮本の熱量が高い感じで始まり、少し驚いた。曲の中盤からその熱と歌がぴったり寄り添い、最後は曲の世界がグワーと迫ってくる感じが素晴らしかったです。  

・野音「過ぎゆく日々」のサビ前の間奏部分がとても好きです。宮本の躍動的な短い叫びや掛け声と、それに呼応するようなトミのドラム。歌詞も無いのに心の奥が揺さぶられる。そこに、問いかけるようなサビの強い声が被さって、名も無い感情に言葉をつけてくれる感じ。ウワーッ

・<「過ぎゆく日々」をあと20年は噛み締め続ける会>の会長です。野音では下記の歌の部分で、こらえていた涙腺が決壊しました。この曲の歌詞がとても好きです。過ぎる日々との対話。静かな問答みたいな言葉たちを、宮本の情感を込めた声が彩っていく。エレカシにしかない曲の世界。

「過ぎる日々よ 教えてくれよ
この俺には待ちのぞむ日々のありしことを」


*曲の思い出、「東京の空」の圧倒的空気感
・野音の「悲しみの果て」は、ギュッと凝縮して一気に駆け抜けていくようだった。あまりに清々しく堂々としており、泣く暇もなかった。聴いてて金縛りみたいになった。

・「珍奇男」、宮本のストロークが強すぎてアコギのチューニングがズレ始めた途端、石くんは微動だにしないながらも、宮本のアコギの音にめっちゃ注意を払っていた。神経をそちらに集中されている気配がすごかった。気のせいだったらすみません。
 
・野音備忘録。伸びた髪の毛がかかり、終始宮本の顔はあまり見えず。ただ「月の夜」のサビで、髪の隙間から身開いた目がギロっと見えた。白眼がくっきり浮かびあがって、とてもきれいだった。この瞬間を私は忘れないだろう、と思った。

・今日の「東京の空」はこれからも忘れられないだろう。全ての歌詞が必然という感じで、最初から最後まで引き込まれた。歌詞と声が一つの世界を見事に作り出しておられた。歌詞一つ一つの押し付けがましくない説得力、すごかった。大作。ジャンジャン泣いた。

・「東京の空」、他の言い回しの語尾は<ぜ>なのに<さみしすぎるよ>だけ<よ>なのが本当にウッと来ます。崩壊しかけてた涙腺がここで完全にこわれました。

・「東京の空」はさほど思い入れのある曲ではなかった。難解な印象だった。先日の野音で聴いた時、もう途中から子供のようにオイオイ泣いてしまった。歌詞が一つずつ、楔を打ち込まれるようだった。どこにもない独自の形の音楽を表現されていた。すごい。

・「東京の空」「武蔵野」「風にふかれて」という曲の流れ、長編小説のようだった。「風に吹かれて」の歌声があまりに真っ直ぐで、もう現実味が無いようなボーッとした気分だった。

・「ファィティングマン」を歌う宮本。照明に照らされて、きちんと年を重ねた顔で歌っておられた。目の輝きがすごかった。輝きすぎて、黒目と白眼の区別がつかないくらい。

・先日の野音のファィティングマン。遠くない距離から見た宮本は、見据えるように言い聞かせるように、言葉を一つずつ丁寧に発しておられた。威圧する雰囲気は無く、少し下がり眉毛で目がキラッキラしていた。声は最後まで非常にでかかった。

*手あたり次第、思い出の断片

・パチンコ屋さんを擁護しつつ、<緊張でこんな喋り方をしてしまった・普段の喋り方では無い>と反省するMCの後に「ズレてる方がいい」というタイトルの曲を始めるとか。かわいらしすぎるのでは…?そして曲は大変しびれる。

・宮本はなんというか<歌うために生きてる・生きてるから歌っている>という風情で。一切の無駄が無い存在でありました。

・宮本の黒デニムは後ろが白っぽくなっていて、ずいぶん履き慣れた状態だった。白シャツと黒デニムで、圧倒的な存在感だった。長年かけて育ててこられた自分自身の姿に、目を奪われた。

・宮本の謎の清潔感がすごかった。髪を振り乱して汗を流し、目を見開いて歌っていた。声は揺るぎなく、とんでもなかった。そして清涼感があった。

・昨日見て思ったのは、<宮本の太腿は、通常の人間のふくらはぎ>です。

・密度の濃い豪速球みたいな声だった。しかもすごく心地よい声。あれは一体なんなんですかね…。

・昨夜の宮本は、歌いながら何度も顔にかかる髪の毛を払い除けておられた。ババッっと手で左右に思い切りかき分ける様子が、ただ「髪が邪魔!」という感じで。かっこつけてる感じの全くない動きなのが大変良かったです。

・野音の宮本。気持ちをぐいっとこめている時やサビなど、よく爪先立ちになって歌っておられた。それで口がマイクの位置から少し離れてしまったりするのだけど、何度も爪先立ち。全身で歌っておられるのに、もっともっと、という意気込みを感じました。良かったです。

・「<いつのまに宮本、椅子に座ってたんだろう>と思って観てたけど、ものすごい低い位置のガニ股で、姿勢を安定させて微動だにせず歌いまくっておられた」という場面があった。

・何かの曲が終わり。宮本はペットボトルに手を伸ばそうとしたけど、手前で止めた。するとすぐに曲が始まった。その曲が終わり、ようやく水を飲んでおられた。怒涛のセットリストだった。驚異的な精神力と体力だなぁと思いました。ご飯いっぱい食べて!

・口を開けば「宮本かわいいかわいい」と呟く私ですが、野音の宮本は気迫と歌があまりにすごかったので、「かわいい」とはおいそれと表現出来なかった。ただ歌に激しく感動しつつ、宮本を眺めて「バンビが歌っとるわ、実写版バンビ」と素直に思いました。野音にバンビがいた。目撃した。

・すごい気迫のバンビでした…(野音感想)

 ・どうしよう…石くんめっちゃかっこいいギター弾いてる…(頭を抱えている

・野音ライブ、宮本の歌声と相まった言葉の力がものすごい。そこに、ぶつかり合ったり確かめあったりしつつも、ぴたりと寄り添うような演奏。エレファントカシマシという一つの人格があるような音楽。

以上です。
これだけ心を動かされた自分、最終的にバンビまとめで驚きました。
全方位に心惹かれるライブだったという事ですね(力技の解釈)。

次のエレカシ日比谷野音もきっと必ず素晴らしい日になる事でしょう。
ライブが開催される喜び、心馳せる音楽がある喜びを噛み締めつつ、日々を過ごしたいと思います。



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