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ルイサダ《今夜は映画館で》 5/5 公演番号335 会場:カンタービレ



コロナでロックダウンが続いていた頃、孤独な生活の中で組み上げられたというプログラム。
幼い頃、家族で見ていた映画を紹介するTV番組『今夜は映画館で』をタイトルにしたそうです。

会場(221席)は映画館のようなセッティングでステージ左にピアノが置かれている。
スクリーンに映像がうつりそこでは歌とピアノが流れている。
客席に不思議な期待感が満ちたところでルイサダが登場。プログラムにはないニーノ・ロータの『甘い生活』メイン・テーマが流れ意表をつかれたところでそのままモーツァルト。
クラシックコンサートの大仰な拍手もお辞儀もなく、映像と音楽の世界へ。

さまざまなエピソードを語りながらプログラムは進み最後に『アダージェット』と『ラプソディ・イン・ブルー』を今はなきご両親に捧げて弾くと語られてのクライマックス。
感動的な雰囲気でプログラム本編は終了。

プログラムは下記の通り。

《プログラム》
♦︎ニーノ・ロータ:メイン・テーマ(『甘い生活』フェデリコ・フェリーニ)
Nino Rita:Main theme
♦︎モーツァルト:幻想曲 二短調 K39 7(『許されざる者』ジョン・ヒューストン)
Mozart: Fantaisie en ré mineur K. 397
♦︎ブラームス:3つの間奏曲 op. 117 (『プレーでのランデヴー』アンドレ・デルヴォー)
Brahms : Trois Intermezzi pour piano opus 17
No. 1in E-flat major No. 2 in B-flat minor No. 3in C-sharp minor
♦︎ブラームス: 主題と変奏 二短調(『恋人たち』ルイ・マル)
Brahms :Thème et Variations en ré mineur
♦︎ショパン:マズルカ イ長調 op. 17- 4(『叫とささやき』イングマール・ベイルマン)
Chopin :Mazurka en la mineur opus 17 n°4
♦︎ショパ ン :スケルツォ第2 番 変口短調 op. 31(『楽聖ショパン』チャールズ・ヴィダー)
Chopin : Scherzo n°2 en si bémol mineur opus 31
♦︎ワーグナー:悲歌(『ルートヴィヒ/神々の黄昏』ルキノ・ヴィスコンティ)
Wagner :Elégie
♦︎マーラー/タロー:交響曲第5番 嬰ハ短調から アダージェット (『ベニスに死す』ルキノ・ヴィスコンティ)
Mahler / Tharaud: Adagietto de al Symphonie n°5 en ut dièse mineur
♦︎ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー(『マンハッタン』ウディ・アレン)
Gershwin : Rhapsody ni blue

《アンコール》
♦︎スコット・ジョップリン:ソラース(『スティング』ジョージ・ロイ・ヒル)
♦︎坂本龍一:メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス(『戦場のメリークリスマス』大島渚)
♦︎フランシス・レイ:男と女(『男と女』クロード・ルルーシュ)

アンコールでは昨年亡くなった坂本龍一氏の『戦場のメリークリスマス』も取り上げられました。
フランス人のルイサダが弾くと坂本龍一の西洋音楽的なところが際立ち、もしかしたら坂本龍一は日本人が思っているよりも西洋的な作曲家だったのかもしれない…と思わされるような演奏でした。
これを弾き始める前にクイズ形式の紹介だったのが面白かった。

そして、アンコールの最後『男と女』ではピアニストが客席に向かって歌を要求!!!
もう一度繰り返します。
ピアニストが客席に向かって歌を要求!!!!!
そう!なんと巨匠ルイサダの伴奏で歌えちゃう!
しかも歌ってみるとわかるのは、呼吸しやすいことこの上なく自然に深く息が吸えて歌っていてとても気分が良いこと!
歌における呼吸の大切さを学びたい人にとっても貴重な機会になったのではないでしょうか。
一つだけ残念だったのは歌詞が迷子になりがちなこと。
これで前のスクリーンに歌詞を出してくれたら完璧だけど、それだとカラオケになってしまうか💦


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