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オンラインレッスンが1年続きました

都内でピアノ教室を主宰している吉原です。こんにちは。

新型コロナウィルスは感染力の強い変異株が次々と登場して、昨年の今頃以上に深刻な状況となっています。
この変異株はお子さんへの感染のしやすさ重症化のしやすさが特徴でヨーロッパでは学校の休校を含んだロックダウンなどもされているようです。

そんな昨今ですが私の教室では去年の4月から2020年度は丸一年全てのレッスンもイベントもオンラインで続いたことになりました。
この経験から気づいたことを書いておきたいと思います。

ピアノのレッスンで最も画期的なのは【生徒も先生も自分の楽器でレッスンができる】という点です。
これは他の楽器では当たり前ですがピアノでは不可能でした。
自分の楽器は演奏の感覚をつくる基準となるものなのに、ピアノを学ぶには最初のレッスンからレッスン室のレッスンでできなくてはなりません。
家でできたことがレッスン室のピアノでできなくてがっかりした経験がある人もいらっしゃる事でしょう。
実はそういう時は家のピアノでもできていないもので、それを自然に自覚できるのもオンラインレッスンの良いところです。
一台のピアノでお互いに立ったり座ったりするのではなく、それぞれがピアノの前に座ったままであるというのも2台ピアノを並べてレッスンしているのに近い感じがします。

次にオンラインレッスンの方が対面レッスンよりも優れていると思ったのは【雰囲気に流されない】という点です。
レッスンで本当はよくわかっていないのに“分かったフリをする“時があるようで、“お互いに心地よくあろうとする気持ち“がレッスンを理解するのを邪魔してしまうのだとオンラインレッスンを始めてみてから気づきました。

これらの点から【レッスンで伝えたい本当の情報】がオンラインレッスンでは確実に届きやすいのではないかと推測しています。
そしてレッスン室のピアノの前に座っているのと自宅のピアノの前に座っているのとの気分の違いでレッスンで言われたことを思い出せないことも、家に帰るまでに習ったことがすっかり頭から抜けてしまうこともありません。
また、今までとピアノの性能のせいにされがちだったテクニックの面のかなりの部分はピアノのせいではないというのもわかりました。

このように1年間オンラインレッスンをしてみて前からやっていた以下の二つがレッスンを大いに助けてくれました。
一つは1999年に出版してハンナ社(旧ショパン社)から15年くらい版を重ねていた拙著『練習のポイントがわかるレッスンノート』(旧『少しの練習で上達するレッスンノート』)でやるべき練習を具体的に指導できる点。
もう一つは8年くらい前から学んでいるフランスの音楽家のための運動療法士イザベル・カンピオン先生(文末注参照)による身体の使い方の理論と実践です。
これらはオンラインレッスンを効果的にしてくれている気がします。

次回は前者の『練習のポイントがわかるレッスンノート』について書くつもりです。



吉原

注)イザベル・カンピオン先生はルイサダ先生をはじめフランスの錚々たるピアニストたちから音楽学生までが頼りにしているスペシャリストです。

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