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「不公平」かもしれないクリスマスプレゼント

今日はクリスマス。長い間会えていない方から約一年ぶりに連絡があり、思わず涙が出るくらい素敵な手作りのプレゼントを頂いた。

メッセージにこう書いてあった。

「公平ではないと批判を受けるかもしれないと思いました。でも、クリスマスプレゼント、内緒でおくります。よいお年をお迎えください。」

確かに、と思った。「公平」はやっかいだ。世間は「公平」や「平等」にうるさい。私も職業柄、よく口にするし、気にもする。「同じ条件の人は同じ取り扱いにしてください」、「不平等だと言われないように気を付けて制度設計しましょう」、「個別の取り扱いをするときは基準を明確にして下さい」—-基本的には正しいと思う。学校の先生は生徒を平等に扱わなければならないし、社長は従業員を公平に評価しなければならない。不公平ではないかと疑いを持たれるようなことは謹んだ方が無難である。

でも、このプレゼント…。

「不公平」と批判されるかもしれない。もしかするともっと面倒なことを言われるかも…。よほど問題になることはないだろうが「なぜ私にはないのか」と思う人はいるだろうな…。色々なことを考えながらも私のために準備し、「この一年気にしてたよ」と届けてくださった。うれしい。本当にうれしい。「公平」や「平等」へのちょっとした抵抗も感じる。

「公平」や「平等」を意識するあまり、行動できないことがある。「自分が我慢したのだから、貴方も我慢すべきである。そうでないと不公平だ。不平等だ。」最近はその空気もよく感じる。

けれど感動や感激は、「公平」や「平等」を超えた先にあるのだ。「一律」が全てではない。他人に「公平」や「平等」を強いても、あまりハッピーな気分にはならない。そして「特別」を積み重ねなければ、人は信頼関係を築けない。親密にはなっていけない。本当はみんな気づいている。

コミュニケーションが極端に減った一年、画面越しが増えた一年。「不公平」かもしれない優しいプレゼントに問われている。

大事にしたいものはなんですか。「特別」なものはなんですか。「公平」を言い訳にしていませんか。

来年はもう少し、努力してみたい。「その先」の関係性を築く努力。

メリークリスマス!

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弁護士岡部真記
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