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政府関係者の手記1

ここは地球上で唯一の都市「アルティクス」
見渡す限りの蒸気機関、煙るセピア色の景色。我々新人類に残された、たった一つの生きる道。

かつて、旧人類は太陽の滅亡を止めることは出来なかった。太陽が滅びることはつまり、この地球の崩壊を意味する。人類が生き残る道は残されていなかったはずだった。

もう今は名も伝わっていない科学者が言ったらしい「マキナを使え。たとえ他の全てを犠牲にしても、我々だけは生き残ることが出来るだろう。」という言葉。猶予なぞ残されていなかった人々は縋ったのだ。「マキナ」という最悪の発明に。

それは大多数を犠牲に、都市を確立させた。全てを見殺しに、外界を隔て続け、外界は意味のわからぬ森が生い茂り、酸素もない、光もない、気温も安定せぬ地獄と化した。

何をエネルギー源として100年以上も駆動し続けられているのかもわからぬこの機械。本来ならば、現状維持ではなく、活動範囲を広げられるよう進めていく必要があるのだろう。

だが、我々にとって外界はあまりにも脅威なのだ。何があるのか、どうなっているのか、文献以外で知る者は極わずか。改善する手立てを立てようにも、情報が少なすぎる。

その上、最近奇妙な事が起き始めた。外界からの襲撃者が現れたのだ。彼らはいずれもマキナの破壊を目論んでいる。マキナがなければ地球上では生きられぬことを分かっているのか…?否、彼らは我々が生きられるはずのない外界で暮らしていたのだ。彼らにはマキナは必要ないのかもしれない…。

その襲撃者への対策を立てるために政府のトップ、ミシェル・ヴィエルヌが動きを見せ始めている。平穏を乱す外界の者を全員、敵及び絶対悪と考え、抹殺対象「レベリオ」と認定したのだ。

これで我々の日常が取り戻せると良いのだが…

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