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マーケティングでついつい手を出してしまう麻薬

Cafe やぶさちの社長 大城直輝さんのサンエー時代のエピソードについて書いた先日のメルマガ(タイトルは「リーダーにとって最も大切な仕事」)に対して、読者の方から感想をいただきました。
沖縄県内の公共交通機関で広報部長を務める神山さんからです。

牧野さん

下記、まさに仰ることが身に沁みました。
権限移譲も業務の円滑な遂行に必要ですが、管下社員がミス・課題を「言いやすい」環境を作ることも、非常に大切なことだと。
自省も込めて振りかえってみようと思います。

                        神山 拝

神山さん、ありがとうございます!
こういうご感想いただくと「書き続けよう」という力が湧いてきます。

さて、これに気を良くして今日もCafe やぶさちの社長 大城直輝さんのサンエー時代のエピソードから。

ある店舗のヤングカジュアル部門の責任者をしていた大城さんがお店に出ていると、お客様の「あっ、安くなってる!」の声を耳にします。おそらく、すでにお買い求めの商品なんでしょうね。ご自分が買ったときの値段よりも安くなっていることを知って思わず口にしてしまったのでしょう。

これを聞いた大城さんは、お客様に申し訳ないことをしたと心を痛め、それ以降はできるかぎり定価で販売することを決意します。

値引き販売が当たり前の量販店での定価販売です。かなりの工夫と苦労があったことでしょう。その甲斐あって、その店舗へ異動後たった6ヶ月で粗利率で部門記録を塗り替え、粗利額でも同部門の全社の粗利の4分の1を大城さんが責任者を務める1店舗で稼ぎ出したそうです。

マーケティングの手法として「値引き」は一番簡単で一番効果が出やすい方法です。麻薬のようについつい手を出してしまいます。けれども原価は変わらないですから粗利の低下として現れてきます。

他店では売れ残ってしまい、ついつい「値引き」という麻薬に手を出して販売していた商品を大城さんが引き取って、定価で販売することまでやってのけたそうです。
粗利で他店を上回るのは、当然ですね。

大城さんは値引きをせずに定価で売るために「商品の価値をきちんと伝える」ことに取り組みました。量販店のフロアの一角ですから、かなりの工夫が必要だと思うのですが、「前任の店と違い、当時その店は地域一番店だったのでお客様はたくさん来た。だから、販売についてそれまでにコツコツ学んだことをそのままやるだけで結果がついてきた」と言っています。

あなたは麻薬に手を出さず、商品・サービスの価値をきちんと伝えていますか?

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