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【セルフライナーノーツ】#1.Twinkle【「  」】

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【セルフライナーノーツ】#0.プロローグ【「  」】


前回はアルバム全体の紹介をしたので、今回から各楽曲についてご紹介していきます。当時のことを振り返りつつ、こうして記事にすることで自分にとっても新たな気付きもありつつ。自己満足になってしまっては意味がないけれど、自分にとっても意義のあるセルフライナーノーツ。興味を持ってもらえたら嬉しいです。

CDご購入はBASEのOnline Store「万貴音屋」から。よろしくお願いします。


「Twinkle」楽曲クレジット

作詞:小田貴音 作曲:小田貴音 編曲:万貴音

【楽曲解説】

2009年度広島女学院大学オープンキャンパスCMソング。中原万貴の母校・広島女学院大学からご依頼いただきまして制作された楽曲です。在学中にCMソングを歌わせてもらえるなんてとても光栄なことだと思います。小田の母校からも依頼こないかなあ…今でもお待ちしておりますよ。笑

オープンキャンパス用のCMソングなんで、メインターゲットは進学先を検討している高校生、そしてその親御さんになります。学校側のコンセプトを取り入れつつ、歌詞の主人公を設定していく。充実した毎日を送る広島女学院大学の在学生、の目線で歌詞を書きました。同時に高校生が「こんな大学生になりたいな」と思えるように。

たとえば学祭とかに行ってもらうと実感できると思うんですが、広島女学院大学は小高い山にあるので、坂道が多いです。通えば運動不足とは無縁になりそうだなあ、とこの歳になると思う感じ。笑 その分、景色が開けていて非常に気持ちがいい。「坂道を登る=経験を積んで成長する」ということ、そしてそこから見えるもので「開けた未来」をイメージ出来るように書きました。

そして広島女学院大学は「女子大」です。もちろん女性の魅力も多種多様にあるんですが、制作にあたりキーにしたのは「しなやかさ」。柔らかく強い、という、実際には男女ともに理想の状態ではないかと思います。絶えず変化する現在と未来、必要なのはこの柔軟さと、結果折れない自分自身。しなやかでいたいよね。


【音の解説】

これ、どこかで話したことがあるかもう覚えてないんですが、実はCMで流れた楽曲とアルバムに入ってるものは全然別物です。というのが、CM曲制作時はまだDTM環境の構築前で、MTRで作ってまとめたものなんです。ドラム以外は全部生演奏だったんだよなあ。笑
後に制作環境をLogicに移して改めてまとめたのが、アルバムバージョンの「Twinkle」です。

楽器編成はピアノをメインに据えたアコースティックバンド編成。ブラス(生ブラス!)、ストリングス入りで音の構成は豪華だけど、全体の雰囲気はあくまですっきり軽やか。これにはいくつか理由というか、ポイントがあります。

その1、「ブラス、ストリングスが小編成」。
ブラスは生トランペットが2本、ストリングスも最大3声ぐらい。中低音域で鳴らしてハーモニーを厚くすることはせず、あくまで「上物(うわもの)」としての役割にしてます。ブラスはアクセントとして、ストリングスはオブリ(カウンターメロディ)として。

その2、「ミックス時の音作り」。
前記事でも書きましたがこのアルバムはミックスを村上政夫さんにお願いしたので、非常にクリアで分離のいい仕上がりにしてもらってます。ピアノ、アコースティックギターもあまり重たくない感じに処理してもらってるので、どっしりではなく軽やかなまとまりに。ボトムは本当にドラムとベースのみで支えてるので重くない。

じゃあ音数の割にスカスカになっちゃうんじゃないか、というとそんなことはない。ここでいい仕事をしてるのが「声」です。特にコーラス。中音域を柔らかく豊かにしてるのは、最大4声で歌うコーラスパートの効果です。楽曲アレンジの際、あまり楽器たくさん鳴らしてごちゃごちゃさせたくないけど、なんか寂しい…という場合はコーラスワークにこだわってみることを試してみてください。結構変わるよ。常にフルレンジで鳴らすことが正解ではなくて、どのぐらいの重心にするかで楽曲のキャラクターがコントロールできます。

歌のメロディは柔らかく、かつキレ良く、です。歌い出しはあえて結構低く、サビ前に跳躍でリズムも出す感じ(「なーーーーいとっきーー」とか)。CMもこのサビ前の跳躍から流れてたと思います、これがいいフックになった。

2コーラスほど素直に回した後に空間の広い4つ打ちの間奏とCメロ。メロディの運動量を抑えてじらして、ラスサビの開放感を設計してます。何気にこの部分で転調もしてるので、場面転換にも一役買ってもらいました。結構設計図書いてるね、当時の自分。笑


【あとがき】

練習前に地元の中華屋さんで昼ごはんを食べてる時にこのCMが流れてきて「おっ」と思わず声が出た「Twinkle」。ラジオやライブで自分で声を出して届けることは未来永劫大切にしたいことですが、街のどこかで自分たちの歌が誰かに届いていると感じられることのありがたさもまたすごく嬉しい。

この曲のおかげで、広島女学院大学のオープンキャンパスでミニライブをさせていただいたり、毎年のように学祭に呼んでいただいたり、といったご縁もありました。

昨今の状況でしばらく学祭にも出演できてないですが、またこの曲を歌いに行きたいね、広島女学院大学に。

次回は「#2. カッコワライ」を解説します。DTMで出来ることを模索した中で生まれたトリッキーでアイロニカルなデジタルファンクロック曲。お楽しみに。


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