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ないない尽くしの人文学系修士が学振DC1採用のためにやったこと:1/4

初めまして、マキ(@makin0makin0)です。
人文学系(ヨーロッパ文学)を専門とする博士前期課程2年(2021年1月現在)で、
この4月から博士後期課程に進学します。

①地方国立大 ②論文発表なし ③学部・修士で留学経験なし の私が、
④直近5年、採用実績のない研究室 から特別研究員DC1に採用されました。

頑張った部分が半分、運が良かった部分が半分だとは思うのですが、
ここではその自分でなんとかできる部分について、
前編:事前準備編 後編:執筆段階編 の二つに分けてご紹介したいと思います。

それぞれが前後編になりそうな文量なので1/4-4/4に分けますね。

※ 特別研究員制度を知っている人がここを読んでいると思うので、
改めて制度の説明はしません。制度の部分は日本学術振興会のHPをご覧ください。

***

事前準備編 前編

誰が見ても有利な条件を揃える:実績ポイント制

 開始時期:学部4年
 申請書で書くところ:「4. 研究遂行能力」


研究の中身の面白さをどれほど審査員が理解してくれるか、書面だけでは些か不安なので、目に見えて分かる部分として最後に書く実績の部分を大事にしました。



勝手に作った実績ポイント制、計算の仕方は以下の通りです。

 ・論文:1本1ポイント
 ・口頭発表(査読の有無関係なく):1件0.5ポイント
 ・その他(研究会・交流会での発表経験):1項目0.5ポイント


上記の計算方法で「修士1年の1年間に3ポイント以上貯められる」ように、かなり積極的にいろんな研究会に参加しました。(もちろん指導教員の了承は全部取ってる)

結果、申請を出した時点(修士2年5月)で溜まったのは3.5ポイント

提出と結果が届くのとにはタイムラグがあるため、申請に間に合わなかったものもありました。



ポイント⑴  修士一年で口頭発表の機会を模索するには
人文学系は(大きく括ってしまって申し訳ないですが)、

「卒業研究をどこかの学術雑誌に出そう」とか「教授の研究の一部を学生に研究させて、共同研究者としての実績にしよう」と

先生が積極的に学術発表させてくれる理系や医歯薬系と違い、
学術雑誌に博士前期課程・修士課程から掲載するというのはそう簡単なことではありません。

そのため、研究遂行能力の掲載項目のうち
⑴⑵学術雑誌等の掲載⑶国際会議における発表はほぼ書けないと考えた方がいいので、
⑷国内学会・シンポジウムにおける発表と⑹その他で稼ぎに行くことをお勧めします。


ただ、人文学系の稼ぎ頭のうち⑷は上記の実績ポイント計算では一件当たり0.5ポイント。

(勝手に作った基準ですが)申請に当たって貯めておきたい「3ポイント」を達成するには、6回も何かで発表するしかなくなります。


「修士1年目は、修士2年目で出す修士論文に向けたインプットと考察の時期だ。そんなにアウトプットばかりできない」「一体何を土台に口頭発表すればいいのか」という疑問が浮かぶ方が多いかもしれません。

私も然り。

そんな多産なタイプではなく、効率よく成果が出せる訳ではありません。


そこで、実践したのは以下のふたつです。


①卒論を利用した実績づくり
(修士になってから見た人には「そんな今更」と言われかねませんが)

卒業論文を他大学の先生に見てもらい、その内容で研究会で発表させていただく機会をもらいました。(卒業論文が修士論文ほどの文量であったことから、指導教官のOKが出ました)

実際の発表機会につながらなくても、「今までの活動実績」のところで具体的な研究者の名前を出すことができるのは強いです。

ただこれをやろうと思うと、学部在籍時から博士進学を意識している必要があります。



②文理交流イベントを使う
私がポイントを貯めるきっかけになったのが、大学が主催している文系理系の研究交流会です。

①が学部生から準備しなければならないものであるとすれば、この②は大学院生向き。
院生だからこそのフットワークの軽さがものをいう部分なので、院生の読者の方はぜひ。

文理融合や文理交流、学域交流、学際研究がHOTワードである今、
(総合大学であれば特に)大学がこういったワードに即した研究交流の場を提供してくれるということが増えています。

しかも、「学者の発信力」が社会の注目を集めているからこそ、
「自分野の専門性がある」という誰でもその道を究めたらんとする人ばかりが集まる学振申請者の中で飛び抜けるには、


ある意味での社交性を身につけていること、

誰にでも分かるように研究の内容と価値を簡潔に述べられることを示すことが出来るような実績は持っていて損ではありません。


専門の知見を持ち合わせ、自分の分野の勉強をしっかりやっているということが大大大前提ではありますが。(専門知の社会貢献や社会還元)

***

いかがでしたでしょうか?
noteにものを書くのが初めてなので、「まどろっこしさ抜き」で書いてみようと思ったのですが、
何か役立つものが見つかれば幸いです。


事前準備編の後編はこの記事とほぼ同時に出せるかと思います。

後編 執筆段階編は、1月末か2月頭には掲載したいと思います。
コメントやご質問があればTwitter(@makin0makin0)まで

#学振 #DC1 #人文学系 #文系修士 #文系博士

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