ないない尽くしの人文学系修士が学振DC1採用のためにやったこと:3/4
こんにちは、マキ(@makin0makin0)です。
人文学系(ヨーロッパ文学)を専門とする博士前期課程2年(2021年1月現在)で、この4月から博士後期課程に進学します。
①地方国立大 ②論文発表なし ③学部・修士で留学経験なし の私が、
④直近5年、採用実績のない研究室 からDC1に一発で採用されました。
そんな私が、学振採用に向けて準備したこと、実践したことを、
前編:事前準備編 後編:執筆段階編 の二つに分けてご紹介しています。
今回は後編:執筆段階編の前半です。
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執筆段階編
実績が生きるも死ぬも、自己プロデュースの巧さ次第
開始時期:申請年の遅くとも4月初め
前編:事前準備編で整えた客観的な評価は、あくまで「過去の自分」に対する評価です。
もちろん、そこから未来の可能性を見られるわけですが。
これからの可能性に対する先行投資がこの「特別研究員DC」という制度なのであれば、
日本学術振興会という投資家に対して、未来の可能性を巧く提示しなければ、投資の対象=採用者にしてもらえません。
確実な実績を揃えていることが大前提。
ないものをあるように書くのは、偽証であり、
アカデミックを志す人間がやるべきことではない。
だから前編でしっかりとした実績作りのお話をしました。
ではどのように書けばいいのか、一体何を参考にすればいいのか、
私が実践したことを二つ、紹介します。
ポイント⑴ 学振採用者・科研費採用研究者の申請書・報告書を読む
初申請&身の回り(同系の研究従事者)に最近採用された人がいない私は、
とりあえず自分で書いてみようとするときのとっかかりで困りました。
論文の書き方は知っていても、事務書類系はとんと無知でしたから。
そこで参考になったものが形式面と内容面で2つありました。
① 【形式面の手本】直近3年以内に採用された人の申請書類
ここから学んだのは、内容ではなく形式や性質といった大枠の部分です。
というのも、同系統の研究の従事者ではないので、
内容の書き方や言い回しについては参考になりません。
私の大学の場合、
自分の所属の研究科にある研究推進室あるいは教育推進室といった、
学振申請のセミナーなどを開催している部署が、
過去の学振採用者の申請書をデータとして持っている場合がありました。
そういうところに頼って、受かった人の書き方を真似るといいでしょう。
時間があれば、複数人の書き方を比較し、
ブレンドして書いてもいいと思います。
私は学内チェックの1〜2週間前に焦って書き始めたので、
1人の人のものしか見ていません。
②【内容面の手本】自分の研究に関連する研究者の申請書・報告書
この書類から学んだのは、内容の書き方や言葉選びです。
同じ「競争的研究資源の獲得」を、
学生ではなく先生がやっているイメージのある科研費。
この競争に勝ってきた研究者の上手なところを学ばない手はありません。
研究の過程で読んだ先行研究の論文執筆者や研究書の執筆者の名前を
「科研費 ○○」と書いて検索すれば、出てきます。
PDFファイルとして研究過程の報告書が、
終了したプロジェクトであれば総括報告書も一緒に載っていますので、
勉強道具にさせてもらいましょう。
できるだけ新しい研究の方がいいので、
何年度採用のプロジェクトなのかよく見てから参考にしてください。
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いかがでしたでしょうか?
何か役立つものが見つかれば幸いです。
執筆段階編の後編は、落ちた人と受かった自分との決定的な違いについて書き、ほぼ同時期に掲載したいと思います。
コメントやご質問があればTwitter(@makin0makin0)まで
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