ないない尽くしの人文学系修士が学振DC1採用のためにやったこと:2/4
こんにちは、マキ(@makin0makin0)です。
ここでは
①地方国立大 ②論文発表なし ③学部・修士で留学経験なし で、
④直近5年、採用実績のない研究室 から特別研究員DC1に採用された私が、
前編:事前準備編 後編:執筆段階編 の二つに分けて何か役立てていただけたらと、取り組みをご紹介しています。
今回は 事前準備編 後編 です。
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事前準備編 後編
誰が見ても有利な条件を揃える:実績ポイント制
開始時期:学部4年
申請書で書くところ:「4. 研究遂行能力」
研究の中身の面白さをどれほど審査員が理解してくれるか、書面だけでは些か不安なので、目に見えて分かる部分として最後に書く実績の部分を大事にしました。
勝手に作った実績ポイント制、計算の仕方は以下の通りです。
・論文:1本1ポイント
・口頭発表(査読の有無関係なく):1件0.5ポイント
・その他(研究会・交流会での発表経験):1項目0.5ポイント
上記の計算方法で、「修士1年の1年間に3ポイント以上貯められる」ように、かなり積極的にいろんな研究会に参加しました。(もちろん指導教員の了承は全部取ってる)
ポイント⑵ その他の部分で差をつける
人文学系の性として、研究遂行能力の掲載項目のうち、
⑴⑵学術雑誌等の掲載⑶国際会議における発表はほぼ書けず、
⑷国内学会・シンポジウムにおける発表と⑹その他で稼ぎに行くしかないという話は前述の通りです。
ただ、⑷は限界があります。
1年に6回も発表するなんて、深い教養と知見に裏打ちされた輝かしい成果をお持ちで、発表機会が降って湧いてくる引く手数多の教授方しかいません。
我々には無理ゲーです。
じゃあ何で稼ぐか。
そこで注目すべきが「⑹その他」という一見何を書いたらいいのか分からない項目です。
ここで書くことができ、かつ申請内容本文を支えてくれるような実績は以下の二つが挙げられます。
①ティーチング・アシスタント(TA)
どの学校でもこの言い方するのかどうか分かりませんが、
いわゆる院生が授業の出席確認やプリントの印刷などの教員のお手伝いをするアルバイトです。
私の大学では「成績優秀者がやれる仕事、これ自体が成績優秀の証明」という話でしたが、
特に成績が云々ではなく教授から頼まれたのでやっていました。
外国文学系や研究に外国語を使うのであれば、その語学能力の証明になるようなTA業務がおすすめです。
DC1採用後に海外で研究したいという計画を立てているのであれば、その内容を補完してくれることにもなります。
もしも「文系だけど、一般教養の理系のTAに入っていた」ということであれば、
これも書き方によってはまたとない自己プロデュースに使えると思います。(前編②参照)
②懸賞論文・学生論文の受賞歴
出せば必ず受賞できるというわけではないので、必ずしもお勧めできるとは言えませんが、
受賞歴があればインパクトは強いでしょう。
特に企業が行っている学生論文賞での受賞歴は、短絡的ではありますが、
典型的な「専門知の社会還元への意欲」を示すものになります。
ただ何かを書こうと思えば、常に今の社会に目を向けている必要があります。
単なる批判で終わると論文としての形にはならないので、
批判をした上での改善点、もっとこうしたいなというものが、
自分の研究のエッセンスと結びつくことがあれば、
本業の研究とはまた違った視点で論文として書き起こしてみるのはいかがでしょうか?
『公募ガイド』や『登竜門』というウェブサイトに公募論文の一覧があるので、合いそうなものがあれば出してみるといいかもしれません。
公募ガイド:https://www.koubo.co.jp/
登竜門:https://compe.japandesign.ne.jp/
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いかがでしたでしょうか?
これで前編 事前準備編はおしまいです。
後編 執筆段階編は、1月末か2月頭には掲載したいと思います。
コメントやご質問があればTwitter(@makin0makin0)まで