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原書バージョン騒動②それでいいのか⁈英語版
原書バージョン騒動①で書いたように
新版『たのしいムーミン一家』では
原書バージョンの違いによって
訳が異なっている箇所がいくつもある。
1948年版原書でradioとなっている箇所が
最終版である1968年の原書では
speldosa(オルゴール)となっているため
7章ではパーティーの準備の場面と
パーティーの最中でこんな違いが生じている。
パーティーの準備の場面では
スナフキンが旅に出てしまったので
音楽がなくて残念、と言うスニフに対して
パパの答えは
【旧版】では
「なに、ラジオを使えばいい。」だが
【新版】では
「あの古いオルゴールを鳴らせばいい」
となっている。
![](https://assets.st-note.com/img/1690638139680-4lyYDqoFs7.jpg?width=1200)
そしてパーティーが始まると
【旧版】では
「それからムーミンパパが、
ラジオを庭へ持ちだして、アメリカから
放送されてくるダンス音楽に、
ダイヤルをあわせました」
となっている箇所が【新版】では
「するとムーミンパパが、
庭にオルゴールを持ち出して、
大きなスピーカーにつなぎました」
となっている。
![](https://assets.st-note.com/img/1690638408085-BW2IId5wfG.jpg?width=1200)
このように、日本語版は
最終版原書に基づいた訳に
改めることができたのだが、
英語版は基本的に初版のままだ。
(だから英語版と日本語新版とを
つき合わせて読むと、単語レベル
のみならず、大きく異なる箇所に
出くわす筈……)
![](https://assets.st-note.com/img/1690638712798-STGYchZ7jR.jpg?width=1200)
(Puffinペーパーバックは各頁上部にあらすじ見出しが付いているという…!)
英語版いつまでも改訂しない問題は
『ムーミン谷の彗星』も同様で、
英語版で登場する小さな生きものは
猫ではなくキヌザルのまま。
英語版しか読めない読者にとっては
ムーミンマグ等々のグッズの
モチーフにも使われている猫ちゃんと
物語との関連もわからないという……。
英語版の放置っぷり、凄すぎる。
![](https://assets.st-note.com/img/1690639895619-6cSOkgNzCc.jpg?width=1200)
ちなみに、Puffin版ペーパーバックには
ムーミンママからの「直筆」メッセージが掲載されている。
Square Fish版には載っていないけど、
Puffinの電子版には引き継がれている模様。
![](https://assets.st-note.com/img/1690678490282-MquzhHvWqv.png)
15歳で学校をリタイアしたToveらしい表現だな……。
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