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【新版】ムーミンって?

「新版」「新装版」どう違うの?とかなり
紛らわしいムーミン全集。
「新装版」(講談社文庫や青い鳥文庫)は旧訳
「新版」改訂訳版です。  ※2023年5月時点

改訂訳版といっても、全面的に訳を改めているので
四六判ソフトカバーの「新版」と
講談社文庫青い鳥文庫とでは
(控え目に言っても)訳がかなり異なります。
↓新版の紹介サイト

ちなみに私の名前は奥付に「翻訳編集」として
載っていますが
大人の事情によるクレジットであり
編集はしておりません。

そしてこちらが
講談社文庫・青い鳥文庫(旧版訳)の紹介サイト↓

講談社文庫も青い鳥文庫も、そのうち新版訳に
なると思われますが、
今のところ文庫は旧訳版なので
ややこしくてごめんなさい。
(出版社の方針なので、私にはどうにもできないのです)

とはいえ私自身、子どもの頃から
旧版ムーミンを読んで育ちました。
新版は訳を全面的に改めていますが
旧版訳へのリスペクトは欠かさず、が大前提。

新版は改訂版という位置づけであり
諸事情で旧版訳からの変更不可のケースも
多々あったのですが、一行一行
原書とつき合わせて検証して
改訳をしています。
(旧版1巻~8巻は4人の翻訳者が
分担して訳しているので、
語彙や表現の統一も課題でした。)

旧訳のwordファイルにコメントを入れて編集者に送り、これを整理した原稿にまたコメントを入れ…を最終稿まで繰り返す。これは初稿に編集者のコメントが書き込まれたもの。

底本訳を変更していただくためには
「何故ここは修正が必要なのか」の
根拠を説明する必要があり
wordのコメント欄では書ききれないものは別途、
説明ノートファイルを作ることに。
実は翻訳って「調べもの」の作業割合が
もの凄く高いのです。

あれもこれも改訳したい翻訳者と
やんごとなき諸事情との調整を担った
担当編集者さんは、私の見えないところで
大変な思いをされていたのだろうと思う。

そうして3年間のムーミンフルマラソンを一緒に
走った編集者のIさんと一緒に作った
「ムーミン谷のことば」シリーズがこちら↓

https://www.moomin.co.jp/news/products/82641

キャラクター別になっていますが、私の推しは
各巻の「地の文」です。ふふふ。

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