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東洋経済新報社との出会い……

「編集者は紹介でないと、出版企画書を読んでくれないってだれかが書いてたな……」

出版企画書作成にあたって読んだサイトの言葉を、思い出していました。

「編集やっている知り合いなんていないなあ……誰かに紹介してもうしかないな」


自分のエッセイを読んでもらっただけでも厚かましいリクエストだったなあ、と半ば後悔していた私……。

そんな状況なのに、今度は編集者を紹介してもらえないかと頼まなければならないとは……溜息をついたのを思い出します。

気は重いけど、商業出版を目指すには編集者にリーチするのが王道。
厚かましいと思われる覚悟であたってくだけろ、と思うべしと決心しました。


まずは、編集者とコネクションのある友達探しから始まります。

頭の中で友人を思い浮かべ、出版経験がある友を探しました。


「Kさんがちょうどこの秋に1冊出版してたな。あ、あとAさんも数年前に本を出されていたのを思い出した!」

2人の友人の顔が浮かびました。

以前同僚だったKさんは、専門的な内容の本を出されていました。私の書いているエッセイのような分野の出版社で本をだされたのではないだろう判断し、出版に関する細かな質問をさせてもらうことにしました。

子供を通じて知り合ったAさんは、ビジネス関連書を以前出版されてました。経営コンサルの分野でキャリアを積んできた私は、ビジネス分野に強い出版社ならば、自分のエッセイに感心を持ってもらえるかもしれないと思い、清水の舞台から飛び降りる覚悟でAさんに連絡を取りました。


「実は闘病エッセイを出版できないか考えているのですが、出版業界に全くつてがなくて……。厚かましいお願いなのですが、編集者を紹介していただけませんでしょうか?」

そう単刀直入に切り出すと、Aさんは意外にも快諾してくれました。

「T社ともう1社つてがありますが、どちらがいいですか?」

と聞かれたので

「出版業界は全く詳しくないのですが、T社ならばコンサルしてた時によく聞きましたし、復職したときの相性もよさそうな気がします」

と答えました。


Aさんも同意してくれ、私の経歴的にもT社の方が興味を持ちそうだから、T社を紹介しましょうと言ってくれました。


そして私の中で稲妻のような光が光ったのは、Aさんの次のコメントを聞いた時でした。


「では、T社の編集者をご紹介しますね。
すでに準備していると思いますが、出版企画書はご自身の経歴を反映した内容にした方が受けが良いですね。
T社のターゲットはビジネスマン層ですから、そういった方にリーチする内容でなければ通らないと思います」


なるほど、出版社がターゲットにしている顧客が価値を見出すような企画を売り込まなければ通らない、か……

今まで書き溜めてきた明るく・ポジティブな闘病エッセイに、ビジネス・コンサルの要素をかけ合わせようとアイディアが浮かんだ瞬間でした。


そうと分かったら企画書を大きく編集しなければ。
そして、今まで書き上げてきたエッセイにコンサル的視点をプラスすべく書き直し作業に着手しました。



Aさんは肌寒い日が始まった11月頃にT社の編集者との面談をセットしてくれました。

「ミーティングには、出版企画書と2-3のサンプルエッセイを持参します」
とお伝えし、私っは粛々と準備を進めていました。

ミーティングの準備をしていた頃、T社へ紹介いただけることが決まっていなかった時にコンタクトした出版を支援を目的とするNPO法人からも連絡をいただきました。

闘病×ビジネス視点だったら面白い内容になりそうとのアドバイスが届いた時は、やはり自分の進んでる方向は間違っていなかったと勇気づけられました。


編集者との面談当日が、やってきました。

コロナ禍でface to faceのミーティングが珍しくなってた時期でしたが、編集者、Aさんと私3人でミーティングを持っていただきました。

Aさんが私の紹介をしてくれたあとに、出版企画書の説明をさせていただきました 。

・暗くて読むのが辛い闘病記ではなく、明るくポジティブな闘病エッセイ

・ビジネスやコンサル視点を入れて、闘病生活を分析している

・ワーキングマザーとしての体験も入れ込みたい


といったポイントは、何とか伝えることが出来ました。


大きなリアクションはありませんでしたが、案外編集者の方は興味を持ってくれたようでした。

「とりあえず、社内の企画会議に出せるか検討してみます」

そう言って、私の持参した企画書とサンプルエッセイを受け取ってくれました。

コンサル時代の経験から、受け取ってもらえたのは最低限のハードルを越えたという意味で、社内でOKをもらうのはいばらの道だということは理解しました。

でも、とにかくスタートラインに立てたことが素直に嬉しく、その後は明るい気持ちで地下鉄を乗り継ぎして帰宅の途についたことを覚えています。



では次に、T社との契約・出版準備の話を書きたいと思います。



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