サンバのリズムのすごい力
オランダの歩け歩け祭りをご存知ですか。
4日間かけて何万人もの人が毎日40キロ、計160キロを歩くというハードコアなイベントです。日本から「一生に一度は」とはるばる参加する方もいると聞いて、オランダに住み始めたばかり、まだ20代で元気だった私は、ほぼ飛び込みで参加しました。しかし一日でリタイヤ。練習不足で足がマメだらけ、歩けなくなってしまったのです。
これが悔しくて。翌年に再挑戦しましたが、またまた失敗・・・。でも、おかげで強烈なサンバのパワーを体験しました。
1時間遅れのスタート
お祭り初日には花火があがります。夏のオランダの空が暗くなるのは22時、そのあとの花火を見ようと夜更かしした私は、2日目にまさかの大寝坊!出発地点に到着するともう片付けが始まっていました。
どうしよう、引き返そうか。
でも今までのトレーニングを無駄にしたくない・・・。
私は1人で歩き始めました。1時間遅れのスタート。周りから寝坊したと指さされている気がして恥ずかしく、集中しようとイヤフォンを取り出し音楽を聞きました。元気が出るからと、日本から大事に持ってきた東京スカパラダイス。
2時間、3時間と経つうちに、曲によって歩き心地が違うことに気がつきました。この歌はテンポがちょっと遅い、この曲は穏やかすぎる。でもこの曲、Call From Rioはちょうどいい感じ。
というか、ものすごく、いい。サンバの立体的なリズムが体に入り込んで、心地よく踊るような歩き心地なのです。
ふと気がつくと遅れはすっかり取り戻し、続く二日もこの曲と歩ききりました。楽しくて疲れないし、タイムもかなり良かったのです。
「音楽と一緒だといつもより速く走れた」「長い距離を歩けた」という話はよく聞きます。音楽がスポーツにもたらす良い効果は科学的にも続々と実証されています(今後紹介予定)。偶然ではない、音楽にはすごいパワーがあるんです。
お天気がいい今日この頃、サンバをお伴に散歩して、リズムのパワーを感じてみてはいかがでしょう。
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