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決戦は粗大ゴミ

この街では粗大ゴミを出すには、役所に電話して回収してもらいたいものを伝えて回収日が確定する。粗大ゴミには有料のステッカーを貼る必要があって、購入してゴミに貼って、「この日に出して下さい」と言われた日に出す。

G&Bさんの家に一時的に介護のために来て、本日二度目の粗大ゴミ日。決戦です。

基本的にゴミ捨てはGさんの仕事です。時々メンドくさがるけど、ゴミ捨てには自負がある。だから、粗大ゴミにかける思いも、ハンパない。重いです。

普段から、次の日のゴミ出しの準備を始める。昼くらいに。もうゴミ袋をガサガサ持ってきて、封をして玄関に出す。昼や、まだ。

Gさんの"早々と準備する"姿勢は変わらずです。しかも本日は、古紙・古着回収日でもあります。出すものが大量。

想定としては、Gさんが、前日から、しかもかなり早い段階で、ゴミの準備をし始めること。そしてやはり、想定通りでした。

ワタシが前回のことから学習して、Gさんが昼寝をしている隙に、全ての古紙、段ボール等を荷造り紐で括っておきました。それを邪魔だけど、分かりやすく玄関に集結させた。ベランダに置いている粗大ゴミは直前まで置いておく。

間違っても、リビングにだけは置かせない!

玄関に集結されている古紙たちを見て、納得したのか「ふーん。。」と言っているGさん。何度も何度も何度も何度も見ている。勝った。ワタシはそう思った。

ところが、2つ重ねていた捨てる衣装ケースをバラバラにし始めた。いや、やめて。やめるんだ!なぜするのか、聞いてみた。

これは2個やろ?2個やで。あと風呂の蓋と生ゴミ入れるゴミ箱があるんや。4つやで。シールは3つしかないんや!

はぁ?💢3つ?んなわけない。ワタシは4つ買ってきた。完全にGさんの勘違い、数え間違い。今度はリビングで何度も何度も何度も、説得しました。

ところが夕食時。今度はGさん、例のゴミに貼るステッカーをテーブルに並べ始めた。夕食後の薬と共に。どうやら、シールの準備も夜にしたいらしい。邪魔だ。くしゃみして飛んでいって、本棚の下とかに入るのがオチだ。

ワタシよりもBさんが怒っていた。

「片付けといて。前みたいに無くなったらエライことになるで。」

そう。前回のシール紛失事件。無い無いと大騒ぎになったが、結局Gさんのズボンの尻に付いていた。

Gさんは、一度は片付けたが、また出してくる。それを繰り返す。繰り返す度にBさんに言われる。

尻に付くで!

ワタシは、GさんとTVを見ながらふと考えた。Gさんは確かに色んなことを忘れていく。単なる物忘れではないレベルで忘れていくこともある。思い出せないこともたくさるある。でも忘れないこともある。

"忘れていく"ことは、忘れない。

ような、気がする。前の晩から準備する心境って、やっぱり忘れないため。何度もチェックする。Gさんは、自分が色々忘れていくことが分かってる、知ってる。だから、忘れないように、かなり早々と準備したり繰り返したりするのかもしれない。

いえ、当たり前なんですけど、そんな当たり前のことをふと思いました。Gさんは隣で、

保奈美も、料理するんやなー。

と言った時は吹き出しました。Gさん、鈴木保奈美の知り合い⁉️か⁉️っていう言い方でした。そして、思いました。あぁ、Gさん、鈴木保奈美は忘れないんだ、と。そして、ポツリとこうも言っていたのを、ワタシは聞き逃しませんでした。

ここ(テーブル)に出しとくのも、アカンのか。

ごめんGさん!ステッカーはワタシが部屋で預かりまーす!

決戦は粗大ゴミです。そしてワタシは2日前からギックリ腰です。無事に終わることを願います。

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