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㊽かぐわしく華やかな世界~ルネ・グリュオーのファッションイラスト

先週の流れで、大ファンのイラストレーターをもう一人ご紹介しますね。

皆さん、その名前は知らずとも、なんなく目にしたことはあるのではないでしょうか。
ルネ・グリュオーは主に1950年代から2004年に亡くなる少し前まで
フランスで活躍したファッションイラストレーターです。

Diorの広告でよく知られていますが、
私が初めて、Diiorの香水「ディオリッシモ」(「ミス・ディオール」だったかもしれません)の広告ページで彼のイラストを見た時の衝撃は
今でも忘れられません。
当時20代だった私にとって、まさに品の良い凛とした「大人の女性」そのもののイメージでした。

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華やかで高潔なその香りをまとい、女性であることを心から楽しんでいる開放的な表情と、
グリーンに着色された長くすんなりとした足に細いハイヒール。
見ることも触れることもできない「香り」をここまで表現できるイラストがあるのだと、しばらく見入ってしまいました。

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その後、特に彼の作品に注目していたわけでなく、長い間、記憶の彼方に飛んでいたのですが、
10年ほど前、この仕事を始めてクリニャンクールを時たま訪れるようになり、
ポスターや画集、母が見たら泣いて喜びそうな古いファッション誌等を扱う店で
彼の作品群をみる機会を得ました。

その洗練されたエレガントな世界に魅せられすっかり大ファンなってしまったのです。

私の主力商品であるリア・スタンのブローチをグリュオーのイラストの上に配置してみました。

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リア・スタンも世代こそ少し後ですが、同時代を生き、
配色・エレガンス等、彼のイラストからもインスピレーションを得たことは
想像に難くありません。

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グリュオーより少し前の時代、アールデコ初期のデザイナー、ポールポワレのファッションイラストを描いていたジョルジュ・バルビエ(1882-1932)も
好きなイラストレーターの一人です。

ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9D%E3%83%AF%E3%83%AC

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リアスタンのブローチにもこの時期活躍したジョルジュ・ルパップ他多くのイラストレーター達の作品からデザインのヒントを得たのだろうと推察される作品がいくつかあります。

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リア・スタンのブローチを紹介するにしても、こうして好奇心の翼を思い切り広げられることが、この仕事のなによりの醍醐味です。

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※写真は「モードとインテリアの20世紀展」2016 図録より



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