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ホーメイが運ぶ風
時には天使の口笛のように、
時には母ラクダの嘆きのように、
カイガルオールのホーメイは響く。
その超絶的な声帯の技術はもちろん、
どこか懐かしいメロディーは、
幾層もの倍音の風を運んでくる。
そこは南シベリアに位置するトゥバ共和国
スキタイの黄金の埋葬地であり
サヤン山脈と無数の湖からなる
アジアの中心という未踏の地であった。
彼らはホーメイを携えた文化大使である。
羊の群れに、馬のいななき、タイガの深い緑、
広大なステップ、エニセイ川の流れ、
どの歌からもトゥバの生活と哲学が浮かび上がる。
この音楽は人を拒絶しない。
包み込むようなあたたかみを持っている。
お父さんやお母さん
お爺ちゃんやお婆ちゃん
子供たちも誘って彼らのホーメイを聴こう。
巻上公一
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