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86.ヒカシュー『虹から虹へ』

 今月(2022年)は、先月だけど出たばかりの自分のバンド、ヒカシューの新譜の紹介をする。年越してしまった・・。
 タイトルは『虹から虹へ』 英語タイトル「LA LA WHAT」。
 前作から丁度1年。25枚目のオリジナルアルバムである。昨年の「なりやまず」は、コロナ禍のはじまった頃にエストニアで録音した。「なんてこった」という事態を反映したアルバムになっていたかと思う。
 吉祥寺のスターパインズカフェで、ヒカシューは月一で(無観客とかもあったけれど)ライブを続けてきた。
 最初の年は、ヒカシューデビュー40周年の特別企画として始まった。2019年のことだ。2020年は毎月新曲を発表すると意気込んだ。できたり、できなかったり、途中だったり、いろいろ「なんてこった」な事態があったが、やり遂げた(というのか)。
 そのできあがった曲の録音に2021年は向き合った。5月28日に熱海のぼくのスタジオにヒカシューのメンバーが集まり、いままでに培ったスタジオワークの知恵を駆使して、録音にいどんだ。この10年間に、メンバー所有のいいマイクがだいぶ増えた。ニューヨークで知ったラトビアのJZ マイクロフォンブラックホールやV11などは抜群にいい買い物だった。もう長年このマイクで録音している。
 ほぼ「いっせいの」での録音。これも現在のメンバーでの定番の録音形態である。マルチトラックだからといって、ちまちま録らない主義である。
 3日間の宿泊は、湯河原の高級旅館山水楼という贅沢。コロナのせいで予約していた安い旅館が閉館していたので、関連旅館に予約値段で宿泊できたというラッキー。
 しかし、録音してから、まとめるまでには時間がかかった。コロナ禍になって2年目というのもあるのか、仕事が妙に押し寄せきた。録音も聴いているうちに詩を変えたくなったり、そうだこの歌(チンピーシーとランデヴー)は、チャラン・ポ・ランタンのももちゃんとデュエットしようとか、この曲(東京辺りで幽体離脱)には、サックス入れよう。纐纈雅代に吹いてもらおう、とか。
 そんなこんなしていて、タイトルを「虹から虹」と付けてから、ジャケットの絵の依頼を、「生きること」「生きてこい沈黙」を担当した漫画家の逆柱いみりにお願いした。5枚ほど描いてくれて、全部使ってしまった。
 ハイレゾにも力を入れて、坂出雅海がミックスでNeveのサミングアンプからKORG Nu1、11MHz DSDにミックスマスターを仕上げて、オノセイゲンのサイデラマスタリングでのマスタリング。こちらも素晴らしい音になった。
 あとは、どうやったらみんなにアルバムを知ってもらえるのかという、最難関が残っていて、どうしたらいいのかなぁ。
巻上公一
購入ページ
http://www.makigami.com/lalawhat.html
ハイレゾ
オトトイ
https://ototoy.jp/_/default/p/1064456
e Onkyo
https://www.e-onkyo.com/music/album/sdsd1065/

mora
https://mora.jp/package/43000148/SDSD-1065-11_D/


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