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結婚とは?

11月の個展は、つげ義春のマンガに出てくる「昭和の貧困層の女」をテーマに撮影をしている。
つげ義春の後期の作品には、しばしばそういう女性が描かれる。
働かない義父に虐待される息子を庇うこともできない母親像、自活できる経済力を持てずにやくざな商売の男の愛人になり、その男から当てがわれた相手と結婚することで生活の安定を得る女…。
私が20代の頃、女性が結婚することを永久就職と言っていた。それは、女性が自活できる経済力を持つことか容易ではなかったからだ。

翻って令和の今、女性も働いて納税者となれと言われる時代。
それなのに、いまだ男性は家事も育児も「できない」と堂々と言う。
家事も育児も初めからできるもんじゃないのは、男も女も変わらない。女性なら掃除洗濯料理ができて当たり前なんて、そんなはずがないのに、フルタイムで働きながらそれを押し付けられる生活にメリットなんか感じない。

婚活で相手が見つからない男性の話題がよくネットで流れてくるが、そういう類の男性が相手に求める条件は「若くて容姿が良くてフルタイムで働きながら親の介護もしてもらいたい。もちろん子供も欲しい」というものだったりする。
それなのに本人の年齢はオーバー40、年収400万円以下もざら。
そんな相手と結婚したい若くて容姿のいい、フルタイムで働く女がいるわけなかろう。奴隷が欲しいなら古代ローマの富裕層に生まれ変わればいい。

少子高齢化が問題視されているのに、結婚して子供を持てば自分が削られる未来しか見えないのでは、一生1人で生きていく方がいいに決まっている。
今の時代、結婚も出産も、女性にとって手放しでめでたいとは言い難いのではないだろうか。

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