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無料公開記事 弁護士への相談を考えているフリーランスクリエイターに。弁護士事務所に行く前に準備しておくといいこと

 知人クリエイターが著作権侵害を受けているとおぼしき投稿を見たので、同じようなことでお困りの方のために、弁護士に相談に行く際に、私がどんな準備をして行ったかということを書いておきます。
 私は法律の専門家ではないので、あくまでも「いちフリーランスクリエイターが弁護士に依頼するときにこういう準備をしていった」という体験談ですので、他にこんな準備もしておくといいというご意見があれば、是非コメントにお願いします。
 フリーランスの報酬の未払いなどでも応用できると思いますので、この記事は無料で公開しておきます。


1 いくらまで使えるか
 弁護士に依頼するということは、当然弁護士費用がかかります。
 その依頼で自分がいくらまでなら依頼費用を費やしてもいいか、そこをきちんと決めておくことが必要です。
 裁判にすれば当然費用は高くなりますし、内容証明を1通送るのにも5〜10万円ほどかかります。
 ケースによっては内容証明1通でも効果的な場合があります。
 こちらの依頼に対して、弁護士の時間と労力がかかればかかるほど弁護士報酬は高くなりますので、予算をはっきりさせておくことが必要です。

2 最終的に相手に何を望むのか
 これが最も重要だと思うのですが、謝罪を求めるにしても、法的に求めることのできる範囲というのがあって、裁判に勝ったからと言って、こちらが求めるすべてのことを相手に要求することはできません。
 例えば、誹謗中傷した投稿が拡散されたことに関して、すべての拡散された投稿を消してくださいと要求することはできません。これはリベンジポルノに関することでもよく言われていることですが、一旦ネットの海に流れてしまえば、何がどう拡散されようと完璧に全てを消すというのは不可能なことです。
 どこまで求めることができるかは、担当弁護士の法的解釈にもよりますが、現実的な落とし所をある程度決めてから相談にいかないと相談時間が長くなり、その分相談費用がかさみます。
 何がなんでも未払い工賃の全額を払わせるのか、それとも相手の事情を汲んだうえで納得できる範囲で手を打つのか。著作権侵害であれば無断使用料と損害賠償をきっちり請求するのか、もしくは今後著作権料を支払ってもらうことで使用を継続することを許容するのか。解決したときの着地点の希望を相談時に伝えることができると、相談がスムーズになります。
 これができるならこう、できないならこう、とフローチャートを作っておくと相談がしやすいと思います。

3 証拠収集
 弁護士に相談に行くときに、感情の話しをしてしまっては、何の解決にもならないし、相談料が無駄になります。
 具体的な証拠を提示できるようにまとめておきましょう。証拠書類を時系列にまとめ、それが依頼内容とどうつながるのかを弁護士に説明する必要があります。
 
 私は、未払案件のときは契約書と、実際に私の撮影した写真が使われた本、撮影日、立替費用がわかる手帳や領収書をまとめ、時系列で起こったことがわかるように日記形式で書いたメモを持って行きました。
 著作権侵害案件のときは、相手とのやりとり、納品した画像の元データと、それが使われた媒体の掲載されたスクリーンショットをまとめ、元画像と使われた画像の比較、それに関するやり取りが関連付けて見ることができるように資料を作りました。こちらも時系列でいつ、どこで(オンラインの場合はどのサイトで見たのかといったこと)、誰が、何を、どのようにした、ということがわかるようにまとめておきました。
 侵害画像と元画像を同一のフォルダに入れ、その場で説明できるようにしておくだけでもいいのですが、実際に弁護士に依頼するとなると、資料の作成は依頼主側でしなければならないので、はじめから作っておくほうが相談時間と依頼までの時間の短縮になるので、スムーズに交渉に入ることができます。

私が過去にしたことはこの3つです。
弁護士への相談費用は30分5500円〜とサイトに載っていることが多いのですが、準備をしっかりしていけばたいてい30分以内に収まります。

悔しい思いをされている、フリーランスのクリエイターの方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

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