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自撮りカレンダー熟女

2018年の3月に開催された、東京女子エロ画祭というアートコンペに表題のタイトルで、仮想カレンダーとして、12枚の組み写真で応募した。それが私の作品の立ち位置をはっきりさせることに繋がった。あの日のことは、きっと死ぬまで忘れられない。

2017年の11月、このコンペの締め切り直前まで個展を開催していて、応募を半ばあきらめていたが、それまでにあった嫌なことを払拭するためのチャレンジとして、このコンペに思い切って応募した。

タイトルの由来は、実話を元にした映画「カレンダーガールズ」から。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA

本当はきちんとカレンダーに仕上げてから送りたかったのだが、締め切りが目前だったので、ダメ元で写真だけを送った。
なぜだかわからないが、このコンペには何がなんでも応募しなければならないような気がして、不完全でもいいから、とにかく送ろうと思っていたことをよく覚えている。

審査に通ったというメールが届いたときは、とても嬉しかった。あとは当日、いかにプレゼンするかだ。でも、普段の制作も、コンペへの応募も、ただやりたいことをやっているだけなので、変にこねくり回さず、ストレートに話そうと決意した。
当日の参加者の中で私は最年長。他の方の作品は女性であること、自分の性と向き合うことをアカデミックな雰囲気でまとめ上げた力作ばかり。私のユルい作品がなぜこの中に入れたのか、疑問だった。
プレゼンの順序は私が最後。
緊張した空気でそれまでの作品が投影されていたスクリーンに私の作品が投影されたとき、会場に笑いが巻き起こった。
私はホッとした。あとは何も考えずに普段思っていることを喋ろう。結果なんかどうでもいい。とにかく笑いが取れればいい。
私が話し終わるまで、会場は笑いに包まれっ放しだった。満足だった。

結果は、グランプリと、ニコ生賞のダブル受賞という、有り難いものだった。審査員や会場の皆さんが私のそばに来て、口々に私の作品を称賛してくれることが嬉しかった。
あれからもうすぐ2年になる。
2年の間に、憧れだった日本カメラや芸術新潮に作品を掲載していただき、集英社インターナショナルから、島本脩二さんという、出版の神様のような方の手で作品集を出していただき、取材も方々からたくさんいただいて、展示ではプリントを買っていただけるようになった。
女子エロ画祭がなかったら、そんな光栄なことにはならなかっただろう。

あのときに提出した仮想カレンダーを思いながら、今、自分のカレンダーを製作している。

2020年、私は本物のカレンダー熟女になる。

※カレンダーは11月28日より開催のグループ展「冬の熟女まつり」会場にて販売します。会場は板橋駅より徒歩5分 カフェ百日紅。

https://search.yahoo.co.jp/amp/s/s.tabelog.com/tokyo/A1322/A132201/13099884/top_amp/%3Fusqp%3Dmq331AQOKAGYAfG884bHjaf36wE%253D


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