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まぐわいは地獄

 2018年の5月から、旧遊郭、旧赤線跡といった場所で撮影をするようになった。
 そういった場所には独特の空気が漂っていて、撮影しながら、切ないような、悲しいような感情が湧き上がってくることがある。そこで生活していた女性たちの魂が乗り移っているのではないかと思ってしまうほど、自分の感情とは違うものが湧き上がってきて、胸が苦しくなる。

 彼女たちの不如意な身の上について思うとき、いつも西原理恵子さんの「ぼくんち」というマンガの中の、主人公と弟のやり取りを思い出す。
 風俗嬢の主人公に向かって、弟が「姉ちゃん、なんでま●こは高いの?」と聞くと、「ま●こは、好きな人とするとすごくきもちいい、それはタダ。でも、好きじゃない人とするのはすごく気持ち悪い。だから高い」と彼女は答える。

 望まない性的接触によってもたらされるものは、心の死なのだ。


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