己(おのれ)の器(うつわ)

イライラしてるなあと感じることが増えて、そして決めた。平日の夕飯を作らないことにした。

私が送りたかったワーママライフ、それは仕事を終えた後、手際よく美味しい夕食を作って、彼と子と3人で仲良く食べることだった。SNSを開いてみればそんな家庭はいっぱいあって、自分もやっていけると信じて疑わなかった。

ただ今の私にとって、それはとても努力を伴うことだと気づいた。無理すればできなくはない、ただ無理をした綻びがではじめたのが今。食洗機を導入してもなお後片付けが負担。時間をかけてゆっくり作れないことの歯痒さ、買った食材を使わないといけないというプレッシャーもある。何より無理をした弊害は私の機嫌という形で、子と彼にいく。

平日の夕飯作りをやめたいと思う、そう切り出した私に、もともと料理が苦じゃない彼は二つ返事で問題ないと言った。だからこれからは平日の夕飯作りは気が向けば彼が、向かなければデパ地下やコンビニ、それか冷蔵庫にいつもある納豆やら何やらで簡単にすますことになると思う。

夕飯の準備をやめてから早数日。ひとしごとなくなったというのに、それでも子を寝かしつけた後は、しばらく何のやる気も起きないくらい疲れている。

そして思う。これが私の器。

自分の器は思っていたより小さくて、ただその器の分しかやらないことで肩はすっと軽くなって、だけどいつかはもうすこしたくさんのものが入るように、そう願わずにはいられないのだった。